セールスマンや学習塾の教師、エキストラのような零細自営業者らはサラリーマンと同様、所得税の天引きを受けた金額を給料として受け取る。彼らのほとんどは免税点以下に該当し、税金の還付を受けなければならないが、年末清算よりさらに複雑な税金還付の手続きを踏まなければならず、ほとんどの場合諦めてしまう。139万人がこの3年間、そのため受け取らなかった税金は711億ウォンにも上る。政府は5日開かれた「第1次生活共感政策の検討会議」で、国税庁がこの金を直接探し出し、秋夕(チョソク=旧暦8月15日の節句)前までに、返すことにした。政府が久しぶりに経済的な弱者の権益保護に積極的に乗り出したことは評価できる。
このようなことは担当部署が正そうとする意志さえあれば、大統領が主催する会議をせずに、ただちに実行できることだ。公職者らが謙虚な姿勢となり、目を配れば、国民の苦痛を減らせる事例は、「眠る所得税還付金の戻し」だけではないだろう。景気低迷や物価高のなか、気の重い祝日を迎える庶民に、このような配慮は些細なものであっても、勇気付けるものである。「国民を敬う政府」の姿勢は、ほかならぬこのようなものである。
政府の生活共感10大課題には生計を目的として、小規模の飲食店やパン屋を開業する人々に、国民住宅債券の買い付けの義務化を免除し、高金利のやみ金融を頻繁に利用する在来市場の零細商人には低利で小口融資を行う計画が盛り込まれている。社会的な焦点となった問題ではなく、当局者らが気づかず見過ごしがちだが、きちんと実施されれば、零細商人には相当役立つものとなるだろう。
企業の投資を遮り、民間活力をそぎ落とす「まとまった規制」を緩和し、経済立て直しのきっかけを作るのは、すべての国民が関心を寄せている重要課題だ。しかし、不合理的な規定や慣行、一部の公務員の事なかれ主義で侵害を受ける国民生活を顧みるのも、これに劣らぬほど重要なことだ。
各省庁から李明博(イ・ミョンバク)大統領に報告された内容のうち、多くが従来の政策に適当に手を加えたものに過ぎないと言う指摘もある。国民生活に目線を合わせる覚悟で臨むなら、このような旧態は近いうちになくなるだろう。大それたスローガンや恩着せがましい行動で国民を感動させる時代はもう過ぎ去った。国民が肌で感じる生活共感政策が多いほど、国民は心温まる思いをするだろう。






