1987年の6月抗争の民主化の熱望を背に、翌年スタートした憲法裁判所が、今日創立20年を迎えた。これまで、多くの憲法裁判を通じて、一般国民と国家機関の憲法意識の向上に貢献した功績は大きい。憲法裁はこれまで約1万5000件を、休日を除けば1日平均3件審判し、500件を違憲とした。これを通じて、憲法の位相と尊厳性、国民の基本権意識を高め、法治主義の基盤固めに貢献した。国家機関の信頼度と影響力の調査で、憲法裁が1位を占めたのは偶然ではない。
しかし、韓国の憲法現実は、まだ受難の連続だ。5月以降3ヵ月以上続いた米国産牛肉輸入反対のろうそくデモでは、「大韓民国は民主共和国」という憲法第1条を歪曲する歌と行為が街をいっぱいに埋めた。主権者である国民は、道路占拠と暴力デモをしても不法ではないかのように、警察のバスを壊し、警察をつかまえてリンチを加えるなど、ソウル都心を無法地帯にした。ネットユーザーたちは、3大紙の広告主を脅かし、憲法の大原則である自由民主主義と法治主義、自由市場経済秩序を汚した。
政府と国会も、憲法裁の仕事を作る張本人だ。政府は御都合主義に陥り、憲法理念に反する政策を作り出す。 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代の新行政首都特別法をはじめ、私立学校法、過去史法、新聞法などが憲法裁の審判を受け、違憲論議を巻き起こした。総合不動産税を含む不動産規制関連の措置も、これに属するのが少なくない。国会も、党利党略に偏向した立法事例の量産の癖を捨てずにいる。
国民と国家機関の憲法意識の水準を高めるには、幼稚園ないし小学校の時から、憲法の基本精神を教えなければならないという指摘が出ている。憲法はもはや、権力世界だけの規範ではなく、国民の日常生活に直接的な影響を及ぼす生きた最高規範だからだ。したがって、主権者である国民から、憲法の基本精神を熟知し、体得しなければならない。そうしてこそ、国家機関と政治権力の憲法精神の離脱を監視することができる。憲法裁創立20周年を迎え、ソウルで開かれる世界憲法裁判所長会議の課題でもある。






