14日、国会統一外交通商委員会で2日間開かれた韓米自由貿易協定(FTA)聴聞会も、前日に続き、事実上「牛肉聴聞会」となった。同日の聴聞会は当初、農林水産食品部(農食品部)が告示を延期するかどうかをめぐり、与野党が熾烈な対立をするものと予想された。だが、聴聞会の序盤で、鄭雲天(チョン・ウンチョン)長官が早くも告示を延期することを明らかにしたため、再交渉問題と交渉責任論が主に取り上げられた。
農食品部の告示延期に対して、ハンナラ党は十分な見直しのために10日以上の延期を主張し、野党は、告示の修正や再交渉が前提にされてない延期は、国民を欺くことだと反発した。
統合民主党などの野党は、政府の輸入衛生条件の長官告示の延期方針を、「世論をなだめるごまかし」とし、即時再交渉を求めた。ハンナラ党も、政府の不十分な対処を指摘して、国民の疑惑を鎮めるために、政府が積極的に乗り出すように求めた。
民主党の尹昊重(ユン・ホジュン)議員は、「政府が告示を10日ほど延期するのは、結局、臨時国会が終わるまで時間を引き延ばし、ろうそく集会が下火になれば推進するという考えではないのか。再交渉と告示修正のない猶予は、見え透いたごまかしであり、国民を欺くことだ」と主張した。
一部のハンナラ党議員たちは、国民の厳しい視線を意識したのか、合意案の部分修正を主張し、注目を引いた。
ハンナラ党の南景弼((ナム・キョンピル)議員は、「再交渉をしない中で、政府は最大限努力し、国民の憂慮を払拭するために努力すべきだ。「『狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)が発生すれば、輸入を中止する』という首相談話に対して、米貿易代表部(USTR)が受け入れると明らかにしており、検査主権論議を招いた条項を削除して、告示してもいいのではないか」と質問した。
しかし、金宗壎(キム・ジョンフン)通商交渉本部長は、「基本的に、告示には合意内容が正確に反映されなければならない。一方的に削除すれば、相手の反発を招くことは明白だ」として、否定的な考えを示唆した。
ハンナラ党の朴振(パク・ジン)議員は、「政府が、国民に対し、疑惑を払拭させる努力を十分にしなかった」として、交渉の結果よりも、政府の交渉後の対応が未熟だったと指摘した。
また朴議員は、政府が自律規制協定を通じ、30ヵ月以上の牛肉の輸入を6ヵ月や1年ほど猶予する案を提示した。
これに先立ち民主党は、統一外交通商委で、再交渉請求決議案を上程し処理しようと主張したが、ハンナラ党が幹事協議を通さなければならないと真っ向から対立し、結局、追加協議を進めるという線で論議を終えた。
同日の聴聞会に出席した9人の証人のうち、金聖二(キム・ソンイ)保健福祉家族部長官と鄭雲天長官が、議員から多くの叱責を受けた。
ハンナラ党の金容甲(キム・ヨンガプ)議員は、金長官の前日の発言について、「国民が心配するのは、人間狂牛病だ。所管部署の長官がどうして、そのように他人事のように言えるのか」と叱咤した。
金長官は前日、米国産牛肉輸入に関する責任が、農食品部ではなく外交通商部にあるという趣旨の発言をし、「30ヵ月にもならない牛を食べるとは思わなかった。人間はあまりにも残忍なのではないか」などの発言により、関連省庁の長官が安易な姿勢だという批判を受けた。
民主党の姜昌一(カン・チャンイル)議員は、「外交通商部長官に責任があると言いましたね」と金長官に問責し、金長官が説明しようとすると、「いいです。誰も何も言いません。そのように所信をもってやってください」と述べた。
鄭長官は、ハンナラ党議員から辞任について質問させるほど、窮地に追い込まれた。ハンナラ党の南景弼議員は、「一部で、鄭長官は辞任すべきだとする声が出ている」と述べ、立場を尋ねた。鄭長官が、「どのような状況でも、任務を全うする」と答えると、南議員は「辞任の必要には応じないのか」と再度問責した。
ハンナラ党の朴熺太(パク・ヒテ)議員は、韓米FTAで被害を受ける農漁民に対する対策を鄭長官が説明できないと、数回同じ質問をして追及した。鄭長官が、「細部の対策は計画中だ」と答えると、「国会に批准を要請する前に確固な対策をつくり、農民に説得してもらう必要はないのか」と問責した。
14日の国会聴聞会でも、「政府の対米牛肉交渉が忠実ではなかった」とう叱咤が続いた。政府の責任を問い、対応策を出せという指摘には、与野党に違いはなかった。
民主党の徐甲源(ソ・ガプウォン)議員は、米畜産協会のホームページに、李明博(イ・ミョンバク)大統領の就任直後の今年2月28日から、韓国政府の牛肉全面輸入再開の方針が掲載されていたと主張した。ホームページには、「李明博大統領が、米政府との不和を解決したがっている。韓国は、月齢範囲を拡大することが予定されている」という文章がまだ残っている。徐議員は、「その時点は、同協会の会長が韓国を訪問した直後だった。交渉の開始前から、政府は『開放方針』を決めていたのではないか」と問い詰めた。
鄭雲天長官は、「徐議員が政治的な面だけで見ているようだ」とだけ答えた。
4月の韓米牛肉交渉が、何かに追われたように進められたという指摘も再び出た。
民主党の金鍾律(キム・ジョンリュル)議員は、「韓米首脳会談が開かれた4月19日の直前に、交渉団が徹夜交渉をした。交渉期間を延長してでも、韓国の立場を貫徹すべきだった」と主張した。
同党の尹昊重議員は、「交渉と前後して、輸入再開が招く経済的波及効果を検討する経済長官会談が一度も行なわれなかったことをどのように理解すべきか」と問い詰めた。
民主党の崔星(チェ・ソン)議員は、「韓米FTAは、投資家訴訟を許可した。狂牛病の発生し、韓国が輸入を中止し、韓国へ進出した米国の牛肉輸入業者が訴訟を起こした場合、無防備になる」と指摘した。
金宗壎(キム・ジョンフン)通商交渉本部長は、これに対して、「韓国に進出した米国業者だけが輸入禁止になり、韓国業者は、許可されない場合でなければ、訴訟の対象にならない」と反駁した。金本部長は、「このように誤解や誤った理解が心配を煽る」と嘆いた。
崔星議員は、「米国では危険な部位として学校給食の禁止対象である肉が、韓国には安全部位として輸入される」と述べ、新たな疑問を提起した。崔議員が指摘した牛肉の部位は、頚椎横突起、胸椎棘突起などだ。
鄭長官は、「そのように主張する人々がいるが、科学界で一般的に認められている主張ではない。どうして危険部位の輸入ができるだろうか」と反問した。
ハンナラ党の金光元(キム・グァンウォン)議員は、「FTA批准と牛肉問題を一度に解決する方法は、政治的解決策だけだ。李明博大統領の謝罪談話の発表、FTA批准案および再交渉請求決議案の同時処理、与野党の党首会談が必要だ」と提案した。






