Go to contents

[オピニオン]反社会的犯罪

Posted February. 14, 2008 07:15,   

05年2月、米カンザス州で女性10人を殺害した「BTK(Bind Torture Kill=拘束し、拷問してから殺害する)連続殺人犯」デニス・レイダーが、最初の犯行から31年経って検挙されたとき、国民は2度の衝撃を受けた。まずはその残忍な犯行に1度、犯人が妻と2人の子どもをもち、ボーイスカウト出身の市職員という事実に2度目の衝撃を受けたのだ。彼は、25年間通った村の教会の運営委員長を務め、隣人たちには平凡なおじさんとして映ったが、2つの顔をもつ反社会的犯罪者だった。

◆放火犯や連続殺人犯のような反社会的犯罪者は、個人の不幸を国家や社会のせいにする。彼らは、社会的注目を引くために、不特定多数の人や象徴性の高い建物や文化財を対象に怒りを表出したり、罪を犯したりする傾向がある。最近、韓国社会にこのようなタイプの犯罪がしばしば発生し、心配だ。疎外された階層を保護する制度や対策を、解決策として提示する専門家たちもいる。

◆崇礼門を灰にした放火犯のチェ容疑者も、周囲の人々には平凡な70歳のおじいさんだった。チェ容疑者は犯行翌日、町の会館で1日中平然と花札をしていた。チェ容疑者は、土地の補償金に不満を抱いて請願したが叶えられず、社会への反感を示すために放火したと主張した。宗廟(チョンミョ)に火をつけるか列車への(テロや放火)犯罪まで考えたというが、放火自体を楽しむ放火癖(Pyromania)というよりも、反社会的人格障害の可能性が高い。

◆チェ容疑者は、06年にも昌慶宮(チャンギョングン)内の門政殿に放火した容疑で起訴された。当時裁判所は、チェ容疑者が高齢で犯罪を自白しており、前科がないという点などを酌量して、懲役1年6ヵ月、執行猶予2年を言い渡した。昨年の全国の1審裁判は、679件の放火事件のうち445件に執行猶予が宣告されるほど寛大だった。検察が不起訴にした放火犯は、起訴した放火犯よりも多かった。放火犯のような反社会的な犯罪者には重刑を科し、継続的に監視する制度が導入されなければならない。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com