選挙に出馬した候補の印象が、票の流れを決める中心要素だという研究結果が出た。
米プリンストン大学心理学科のアレクサンダー・トドロフ博士の研究チームは、「有権者が好む候補を選ぶのにかかる時間は4分の1秒に過ぎず、それ以上の追加時間は自分の判断に対する確信を強める役割を果たす」と明らかにした。この研究は「米国立科学院会報(PNAS)」の最近号に掲載された。
研究チームは、大学生100人余りを募集し、過去の州知事や上院議員の選挙に出馬した候補らのうち、実際の当選者とライバルの写真を100ミリ秒(10分の1秒)と250ミリ秒(4分の1秒)、2秒間見せて誰がもっと適任者なのか選択するようにした。
実験の結果、参加者たちはライバルより当選者が適任者だと判断する傾向がもっと高かった。候補に対する他の情報なしにただ写真だけを見て選択した結果が、実際の選挙結果と合致したのだ。特に4分の1秒の間に写真を見た時、当選者を選んだ割合が67%以上で最も高かった。
トドロフ博士は、「特定の政党に対する選好度が非常に高い有権者でなければ、候補者の印象が判断に大きな影響を与えることもある」と説明した。
認知心理学や神経科学では知らない人に対する第一印象は、感情や無意識から影響を多く受けると見ている。過去に争った人と似ていると理由もなく憎くなることも、このためである。
視神経に入った視覚信号は脳から二つの経路で動く。一つは感覚刺激が集まる部位である視床を経て、理性をコントロールする大脳皮質に入った後に、情緒を担当する扁桃体に伝達する経路だ。普通の意識的な反応で視覚信号はこの経路によるものだという。
他方の経路は、視覚信号が大脳皮質を経ずに直ちに扁桃体に伝達するものだ。「知る」前にもう「感じる」という話だ。これがまさに無意識的な反応だ。韓国科学技術院(KAIST)生命科学科の金大洙(キム・デス)教授は、「無意識的な反応は0.5秒内の極めて短い時間に起きる」と話した。
扁桃体が0.5秒で下す感情的かつ無意識的な決定に従わないためには、意識的に候補者たちの政策公約を詳細に検討すべきというのが、認知心理学者たちのアドバイスだ。
sohyung@donga.com






