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北朝鮮の非核化が抜けた米中の安保文書、トランプ氏だけに頼ってはならない

北朝鮮の非核化が抜けた米中の安保文書、トランプ氏だけに頼ってはならない

Posted December. 08, 2025 10:03,   

Updated December. 08, 2025 10:03


米国と中国が相次いで公開した安全保障文書から北朝鮮の非核化問題が抜け落ちた。米国は4日に発表した国家安全保障戦略(NSS)で、優先順位を米本土や台湾防衛、中国抑止に置くとした。しかし、韓国の安全保障と直結する「韓半島の非核化」はもとより「北朝鮮」という言葉すら一度も登場しなかった。中国が先月27日、20年ぶりに発表した軍縮・不拡散関連の白書でも、これまで一貫して強調してきた韓半島非核化の表現が姿を消した。

米国の最上位対外戦略指針であるNSSは、米大統領が4年の任期中に遂行する外交安保政策の羅針盤のようなものだ。ところが、前任のバイデン政権時代はもとより、第1次トランプ政権の時にも欠かさず登場していた「非核化」が削除された。ましてや、トランプ大統領が北朝鮮の核保有を認めるかのような「核国家」という表現を繰り返している状況だ。韓米が30年以上共有してきた北朝鮮非核化の目標が揺らぎかねない兆しを示していると言わざるを得ない。

さらに、中国の公式文書から韓半島非核化が消えたことは、米国とともに北朝鮮核問題解決の核心軸だった中国が、事実上北朝鮮核の容認に転じようとしているのではないかという疑念を抱かせる。中国は9月の中朝首脳会談の結果を発表し、これまで4回の首脳会談で欠かさず盛り込まれていた韓半島非核化に言及しなかったばかりか、昨年3月以降、対外発表で一切これに言及していない。

その間、際立つのは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との「電撃会談」に固執するトランプ氏の焦りだ。10月の慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でのラブコールが実現しなかったため、来年4月に予定される訪中の際に米朝会談を再び推進しようとしているようだ。しかし、トランプ氏が非核化議論を拒む正恩氏との会談を成功させるために、核保有国の認定要求を受け入れることは、どんなことがあっても阻止しなければならない。

これを米国との協議なしでただ米朝会談だけを待つのは、韓国の安全保障を不確実性の危機へと追いやるのと同じだ。魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は7日、「来年、北朝鮮との対話再開を推進し、韓半島共存プロセスを本格化させる」と述べたが、鍵は米国との緊密な意思疎通だ。米本土の安全を最優先する米国が、万が一、自国領土を狙った北朝鮮の長距離ミサイルの廃棄などの軍縮交渉に傾き、中国がこれを黙認するなら、北朝鮮の核を頭上に抱える韓国が最大の被害者となる。ペースメーカー役を自任しても、北朝鮮核交渉の傍観者になってはならない理由だ。