保守と進歩の分離が特に激しい最高裁判所で、「キャスティングボート」の役割を果たしつつ歴史的な判例を作ろうと努力した。乳癌のために闘病生活を送りつつも法廷を守る、強い精神力の持ち主でもある。
しかし、夫ジョン・オコーナーの痴ほう症状が悪化すると、彼女は2005年7月、終身職である最高裁判事のポストから退くことを決心する。
スタンフォード大学のロースクールで会った夫は、17年前にアルツハイマー症の診断を受けるまで、ワシントンなどのローファームに勤める有能な弁護士だった。しかし、病状が悪化し、一日中妻のオフィスにいるなど、妻に対する依存度が高くなった。
オコーナー元最高裁判事は、当時、「これからは夫とより多くの時間を過ごす時」とし、辞任の意思を明らかにした。メディアに対してはスマイルを見せていたが、息子には「山の頂上から降りるような悲しみで、涙が出る」と吐露したこともある。
最近、夫のジョン・オコーナー氏は療養所の他の痴ほう女性と付き合い始めた。一緒に手を握って散歩したり、キスしたりする場面が、周辺でしばしば目撃された。
息子のスコット・オコーナー氏は、「父は、まるで恋に落ちた思春期の少年のようだ」と言い、「母はその女性に嫉妬する代わりに、情緒的な安定を取り戻した父を見て喜んでいる」と話す。
オコーナー元最高裁判事は療養所を訪れ、2人といっしょに時間を過ごして帰ってくることもあると、同氏は伝えた。
療養所関係者や医学の専門家らは、このようなオコーナー元最高裁判事の態度を、痴ほう患者の家族に重要なメッセージを与えるものだと励ました。
シカゴの・アルツハイマー協会のピーター・リード理事は、「痴ほうの患者たちは記憶力と認知力を失っても、親しみや愛情は変わらず求められる」とし、「家族の最大限の協力は、過去を忘れ患者の変化をそのまま受け入れることだ」と話す。
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