アプガニスタン政府が韓国人を拉致した反政府勢力のタリバンが要求している「韓国人人質23人と収監中のタリバン兵の交換は不可」という強硬な態度を示している。3月、イタリア人記者の釈放のため、タリバンの収監者を釈放した前例を繰り返さないという姿勢であり、韓国政府を困惑させている。
▲人質の交換はタリバン勢力拡大の近道〓アフガニスタン政府は、人質とタリバンの収監者の交換要求を受け入れた場合、タリバンの勢力が拡大することを懸念している。特に、「(韓国人が拉致された)カズニ州で押されてはならない」というのがアフガン政府の判断だ。カズニ州は、勢力を拡大しているタリバンが南部から首都のカブールへ進撃していく関門に等しいからだ。クリスチャン・サイエンス・モニターは24日、「韓国人がカズニ州の高速道路で拉致されたのは、タリバンが首都のカブールへ接近して動いていることを示唆するもの」と分析した。ここでの主導権維持がハミド・カルザイ・アフガニスタン大統領の国内的な立場に直結するという説明だ。
実際、タリバンの収監者釈放は、アフガン政府に致命的な結果をもたらしかねない。英国のザ・タイムズは同日、アフガン政府が3月、イタリア人記者の釈放のため、タリバンの司令官の一人であるウスタド・ムハマド・ヤシャールを釈放した後、起きた出来事を詳しく報道した。
同報道によると、ヤシャールは釈放された後、カブールから南西側に65キロ離れたワルダク州を「ミニ・タリバン地域」にした。20年越しのドイツ病院は閉鎖され、衛星アンテナを持っていた住民は散々殴られた。政府への協力者は処刑され、ほとんどの住民がタリバンの戦士に変わったと同紙は伝えた。
▲国際社会の非難も負担〓対外的にはアフガン政府がタリバン兵の人質を釈放すれば、国際社会の非難に直面する公算が高い。米国などが主導するテロとの戦争への協力を存立基盤としているハミド・カルザイ大統領としては国際社会の非難は致命的だ。
アブトゥル・ハジー・カリド内務次官は23日、「憲法と国益にそぐわない交渉をする考えはない」と一線を引いた。タリバンの収監者の釈放がアフガニスタンの脆弱な憲政秩序を揺るがすことを懸念した発言だ。
しかも、タリバンの要求を受け入れて収監者を釈放した場合、各種犯罪勢力の跋扈(ばっこ)や追加拉致を煽り立てる可能性があるという点もアフガン政府に大きな負担になっている。
結局、カルザイ政権は、あれこれとタリバンに対して強硬な態度を示すしかないという分析が多い。これはアフガン政権が拉致された韓国人の釈放に向けて、特別な措置を取ってくれることを期待している韓国としては厳しい状況と言わざるをえない。
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