韓国内の設備投資は、通貨危機に見舞われた1997年前までは過剰だったし、その後は寡少の状態が続いている。01から05年の設備投資の年平均の増加率は、12%にとどまった。韓国銀行が、総資産70億ウォン以上の製造会社を分析した結果、昨年、設備投資などの有形資産への支出は、前年に比べて7.2%増えているものの、株式などの投資資産への支出は18.9%増加した。増えた現金収入で、設備投資より手軽な企業持分の買収などにより積極的だったことを裏付ける。売上高基準で1000大の企業では余剰金を投資しないで、積立金として社内におく現状も現れている。
不確かな未来へのリスクを抱える投資よりは、当座の収益を優先する傾向のせいにばかりするわけにはいかない。全国経済人連合会では、投資への阻害要因として規制の不確実性を一番先に取り上げる。三星(サムスン)経済研究所では、各企業が敵対的買収合併(M&A)への備えのため、積極的に投資することができないと指摘している。実際、三星電子やポスコなどの54の上場会社では、「経営権の確保」のため、今年に入って昨年同期より22%増えた5兆ウォン分の自社株を買い入れた。又、各企業では投資する余力やその気があっても、高い賃金や労使関係の不安を避けて、海外への投資を優先的に検討しているのが現状だ。
それさえ今年にはいって、景気や設備投資が回復の兆しを見せてはいるものの、十分ではない。財政経済部では今年の設備投資の増加率を8.2%と展望したが、韓国銀行では最近、下半期の設備投資の増加率を6.2%から4.5%に引き下げた。主な先進国では、国民所得が2万ドルに差し掛かる際、設備投資の増加率が経済成長率を大幅に上回っている。韓国でも今年、「4.6%成長、年平均1ドルあたり920ウォン」という予想通りになれば国民所得も2万ドルを突破するだろうが、設備投資を増やし成長力を高めなければ、砂の城と同様だ。設備投資の活性化こそ長期的な成長の潜在力を補う道だ。日本のように、規制撤廃を通じて企業の旺盛な投資を誘導しなければならない。






