ソウル市の教育庁には、学生時代の恩師の連絡先を教えてほしいという電話が1年に約1000件ほどかかってくる。「師匠の日」を含む5月には1日50〜60件に上る。どうしても会って感謝の気持ちを伝えたいということだ。多くの人が自ら先生を探すということは、われわれの周囲に、生徒のために最善を尽くす教師がまだまだ多いという希望的な証拠だ。
◆大邱(テグ)キョンイル女子高校は、富裕な地域に位置する学校ではない。家庭環境の恵まれない生徒が多く、高校入学当時の平均学歴は相対的に低い学校だ。教師たちはこのような生徒を懸命に教えてどこの一等地にも劣らぬ進学実績を残した。昨年、ソウル大学に13人を進学させ、今年は5人を送った。昨年、ソウル大学合格者の数は、全国女子高校の中で最も多かった。この愉快な逆転は、個々人の生徒を相手にオーダーメードの教育を行った教師の手から生れたものだ。
◆全南霊光(チョンナム・ヨングァン)のヘリョン高校は全国的に有名な学校になった。他地域の教師が同校の成功の秘訣を学ぶため、列をなして訪れている。大都市の塾から遠く離れた同校の生徒は、私教育を受けたくても受けられない。しかし、教師たちの情熱が私教育を凌駕する競争力を生み出した。少し前には、生徒たちはより良い学校や塾を探して近くの都市やソウルへ流出したが、ヘリョン高校の教育成果が知られてからは、いまや反対に大都市から生徒が留学して来る。
◆そういう例は、これらの学校に限らない。学校の外がどれほど騒がしくても、我関せずと、黙々と職分を果たしている教師は多い。口先で生徒を大事にすると騒ぐのはだれにでもできるが、行動で示すのは簡単でない。今日、師匠の日を迎えて先生たちの気持ちも複雑だろう。寸志や贈り物を理由に休校する学校が多く、師匠の日を別の日に移そうという話まで出てきている。しかし、だれよりも生徒がいちばん知っている。どんな先生が本当の師匠なのかを。生徒たちは一生その先生を記憶するだろうし、いつか再び先生のもとを訪ねるだろう。師匠の日はそのような教師に感謝の花を贈る日だ。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com






