▲対南・外交分野「ほとんど例外なし」〓分析対象455人のうち、学歴が確認された人物は合わせて127人。このうち、金日成(キム・イルソン)大学出身は3分の2に当たる80人で、それ以外は47人。首都に位置する国立大学が権力のエリートを量産する点はどこの国も同じだ。しかし、金日成大学の場合は例外的と言えるほど、権力を事実上独占している。
中身を詳しく見てみると、金日成大学出身による権力独占はさらに鮮明になってくる。金日成大学出身でない人物の大多数は、金日成(キム・イルソン)主席の時代に登用された旧世代だ。47人のうち、旧ソ連、中国、日本など海外留学派が27人で、大多数はもう引退したか死亡している。このほか、幹部再教育の大学で事実上、出身大学が分からない国際関係大学出身の9人と、軍部大学出身の6人を除けば、金日成大学以外の大学を出た人物は数えるほどだ。
特に、対南担当部署と外交分野はほとんど全員が金日成大学出身。南北首脳会談の主役だった金容淳(キム・ヨンスン)元祖国平和統一委員会委員長とチョン・クムチョル副委員長、李ジョンヒョク・アジア太平洋平和委員会(ア太平和委)副委員長、 宋浩敬(ソン・ホギョン)副委員長は全員金日成大学の出身だ。昨年6月、「ハンナラ党が政権を握れば韓半島が火炎の中に包まれるだろう」という発言で有名になった安京浩(アン・ギョンホ)6・15共同宣言実践北側委員会委員長も同じだ。
南北長官級会談の代表を務める権浩雄(クォン・ホウン)内閣参事と離散家族の再会を担当するチェ・スンチョルア太平和委副委員長も金日成大学出身だ。
統一部の資料は、対南・外交など特定分野に携わる人物だけの学歴が比較的詳しく記述されているという限界がある。しかし、閉鎖的な北朝鮮社会の特性から、核心的な地位を掌握している金日成大学出身者の権力分布は、ほかの分野でも違いはないものと見られる。
権力の中枢部では金正日(キム・ジョンイル)総書記本人を含め、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委委員長と崔泰福(チェ・テボク)最高人民会議議長、今年1月に死亡した白南淳(ペク・ナムスン)元外相ら主な幹部がいずれも金日成大学出身だ。金正日総書記の妹である金敬姫(キム・ギョンヒ)労動党部長とその夫である張成沢(チャン・ソンテク)副部長、金総書記の側近の李ジェガン、ヨム・ギスン労働党組織指導部副部長も同じだ。特に、北朝鮮の司法部は金日成大学出身が独占しているように見える。法学部は金日成大学にのみ設けられている。
金日成主席は、「白頭山(ペクトゥサン)脈」と呼ばれるパルチザンの仲間を側近に重用して統治してきた。しかし、彼らが金正日総書記時代に大部分引退した後、金総書記の同門であり「ヨンナム山脈」と呼ばれてきた金日成大学出身がその座を受け継いだ事実が、今回の分析によって確認された。
▲結束力は長所、硬直性は「限界」〓北朝鮮の大学は280校あまり。その中で特定大学の社会系列出身者が国の指導部を独占する事実は、当然のように長所と短所をあわせもつ。代表的な長所は結束力。金日成大学では常に「体制が崩壊すれば、最初に絞首台に立たなければならないのは金日成大学卒業生」と耳にたこができるほど教育される。しかし、このようにして生まれた結束力は「多様性の存在しない組織」という硬直性を招く。このような組織では反論を許さない画一的な考え方が幅を利かすものだ。
強い規律と服従も大学で学ぶ。金日成大学の規律生活は、軍に10年間服務してきた軍人も舌を巻くほどだ。このような生活を6、7年間しているうちに、組織中心の意識構造が体質となる。特に、外部世界と断絶した北朝鮮式の大学教育は、学生が国際的な視野を持てないという限界がある。金日成大学の教材には「地政学的」「北東アジアの秩序」といった国際秩序を表す初歩的な用語さえない。代わりに、世界の中心は「朝鮮」だと教える。国際外交で威力を発揮する北朝鮮の崖っぷち戦術や狡猾な度胸は、このような「主体式」教育に端を発する。
事情がこうだから、国際社会の流れをよく知り、それに合わせていく外交官は、金日成大学の組織では生き残りにくいという言葉が公然と語られている。6者協議で北朝鮮が「現金を手にしなければ、会談のテーブルに付かない」と固執するのは、外部の目から見ればおかしなことだ。しかし、「金日成大学的な」見方と基準では、かえって模範的な事例と評価される。
このような金日成大学の教育課程は、国の存亡のカギを経済力からは見出さない。抗日パルチザン式の教育を受けた学生たちは、「精神力と団結力さえあれば、限りない力を発揮できる」といった盲目的な意識を注入させられる。金日成大学出身者らは、上官がみんな同門の先輩である組織で、苦労して認められながら一歩ずつ昇進する。こうやって南北会談場まで顔を出した彼らには、「列をうまく選んだおかげで、ある日いきなり出世した」南側の代表を無視する傾向もあるとされている。
zsh75@donga.com






