韓国水力原子力(韓水原)が、本社を慶尚北道慶州市(キョンサンプクド・キョンジュシ)東方の陽北面獐項里(ヤンプクミョン・チャンハンリ)に移転することにした。韓水原本社の職員1000人余りのための住居団地は、慶州市内に建てることにした。
しかし、これまで、韓水原本社の誘致をめぐる東慶州及び都心住民たちの葛藤は、今後も続くものとみられる。韓水原の労組は、本社移転自体に反対している。
●韓水原本社、陽北面長項里に移転
韓水原は29日、本社の移転敷地を獐項里に定めて発表し、慶州市に当該地域を土地取り引き許可区域に指定の許可を要請した。韓水原は近く移転計画を立てた後、来年初めに土地購入と文化財の指標調査などに入る計画だ。
獐項里は、慶州市が今年7月に本社移転の候補地に初めて推薦した所には、獐項1里と2里に170世帯、700人余りの住民が住んでいる。
獐項里は慶州普門(ボムン)団地まで自動車で15分、中低順位の放射性廃棄物処理場(放廃場)予定地である陽北面ボンギル里までは、15〜20分程度かかる2ヵ所の中間地点だ。
韓水原は、獐項里が東海(トンヘ)岸に近く、相対的に都心に簡単に接近することができ、周辺に原子力施設が密集されていて、こちらを本社の移転宅地に選定したと説明した。
特に、陽北面地域は放廃場と新月城(シンウォルソン)原子力発展所1、2号基が建設される予定で、近くの陽南面(ヤンナムミョン)には月城原電1〜4号基が稼動中であるため、本社まで移転すれば、この地域を「原電メッカ」として開発できるという説明だ。
●癒えない葛藤
しかし、韓水原は1000人余りの職員たちのための私宅は慶州の都心圏に造成することにし、韓水原本社を誘致するための慶州住民たちの間の葛藤は、依然として残るものとみられる。
東慶州の住民たちで構成された「放廃場の誘致確定による地域対策委員会」は同日、「本社を陽北面に移転することにしたのは歓迎するが、私宅を分離することは問題」と述べ、「私宅造成問題も協議体を構成して議論しなければならない」と主張した。
一方、都心圏の移転を主張した住民たちは韓水原の決定を受け入れることができないという雰囲気だ。
「慶州都心危機対策市民連帯」側は「陽北面の移転決定は多くの慶州市民の意見を無視したもの」と述べて、「早いうちに対策会議を開いて対処方案を議論する」ことを明らかにした。
獐項2里の金ジョンジュ住民自治会長(69)は、「韓水原が本社を陽北面に移転すれば、慶州市内とも近くて都心の発展にも役に立つ」と言いながら「東慶州と都心の住民たちがその間の葛藤を払拭し、慶州の発展のために力を合わせてほしい」と話した。
●韓水原の労使、対立
一方、李重載(イ・ジュンジェ)韓水原社長は同日午前、ソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)本社21階の会議室で、移転敷地の選定に反対する労組員50〜60人と対立する過程で倒れ、病院に緊急に運ばれ応急処置を受けた。李社長は本社移転の敷地選定作業のため、この5日間激しい疲労に苦しんていた。
李社長は労組幹部たちと本社移転関連の特別労社協議会を行う途中、記者会見を理由に会議場から出ようとしたが、前を塞いだ労組員たちと30分あまりをもみ合っていたが、急に倒れたという。
これにより、午前10時に予定された韓水原の本社移転の公式発表関連の記者会見は、結局中止となった。
金ソンジェ韓水原本部労組・首席副委員長は「使用側は、本社移転のような重要な事を労組と協議もせずに発表しようとした」と説明し、「労組は移転敷地の選定に同意することができない」と主張した。
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