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[オピニオン]クレジットカードとポピュリズム

[オピニオン]クレジットカードとポピュリズム

Posted November. 25, 2006 08:10,   

実学者の星湖(ソンホ)李瀷(イ・イク)は、「傾いたものは直すことができ、倒れたものは立て直すことができるが、滅びたものは回復できない」と言った。北朝鮮の核実験以後、韓国社会は取りあえず平静を取り戻したようだが、悲観論も依然として根強い。我々が果たして内外の難関を乗り切ることができるだろうかに対する懐疑的な見方だ。南北分断といった特殊な状況の中で、共同体が一丸となっていても厳しいのに、随所に憎悪の情緒が色濃く影を落としており、民心は動揺している。国の根幹を揺るがすポピュリズム(人気迎合主義)が広がるにもってこいの条件だ。

◆ポピュリズムがよく目撃されてきた中南米でポピュリズムの政治が退潮の兆しを見せているという。マイホームを買い、クレジットカードを発給してもらう階層が増えるにつれ、ポピュリズムの政策を打ち出す政治家がそっぽを向けられているからだという。クレジットカードは、未来の収拾を繰り上げて使う支払い方法だ。収入が持続的に保障されてこそ、クレジットカードを使い続けるので、消費者らが目の前の人気政策よりは経済的な安定を好まざるをえないということだ。クレジットカードが虚像を直視するようにしたわけだ。

◆韓国の40代以上は、おなかのすく時代を経験した世代だ。貧乏の苦痛がどんなものかを知るために、我慢することもできる。もし、経済が今より後退すれば、誰より苦しむのは若い世代だろう。生活水準の急な後退は「災い」に近いだろう。中南米の反ポピュリズムの動きは、彼らの生々しい経験が滲んでいるので、聞き流せるようなものではない。

◆「倉廩(そうりん)みちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱(えいじょく)を知る」—管鮑之交で有名な管仲の本に出てくる言葉だ。経済的に安定してこそ、人々が礼儀を守り、恥を知り、国がまともな姿になるという意味だ。朝鮮初期の改革政治家の鄭道伝(チョン・ドジョン)も、「政治は民の意識を豊かにすること」だと看破した。今日の混乱は、政権の経済政策の失敗に大きな責任がある。国民も政治と政治家の玉石を選り分ける知恵を持たなければならない。中南米と違って、苦痛を経験しないで気付くべきだったが、すでに苦痛が大きい。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com