韓国大学総学生会連合(韓総連)主導の学生運動が衰退し、多様な政治的性向の大学生たちが既存政党に直接目を向けている。
民主化闘争という共感が消えたキャンパスで、理念においても個性を重視する新世代と、学生支持基盤を広げようとする政党の要求がかみ合った結果だ。
最も先を進んでいる民主労働党(民労党)は、全国約80の大学で約6000人が活動中だ。与党ヨルリン・ウリ党とハンナラ党も、来年の大統領選を念頭に置き、近く本格的に大学生組職を構築することを決めた。
▲率直な声〓ハンナラ党「2030委員会」の金チオン副委員長(22・梨花女子大3年)は、「授業料問題は座ってスローガンばかり叫んでも、何も変わらない」と話した。主に、大学生で構成された同委員会は、毎月開かれる会議で合意された建議事項を党に伝える。金副委員長は、「私たちの声を直接伝えることができて満足だ」と話した。
ウリ党傘下のヨルリン政策研究院で活動中の梨花(イファ)女子大学4年の金さんは、「政党と連携した学生活動は、闘争的学生運動の代案だ」と話す。
民労党学生委員会は、記者会見や立法活動など、多彩な方法で政治参加している。昨年には、非民主的な学則を調査して、国家人権委員会に提訴した。
このような状況で、既存の学生運動はさらに縮小しつつある。
最近、韓総連や韓国大学生連合(韓大連)などは、主に反米親北性向の外部市民団体と連携して、韓米自由貿易協定(FTA)や平澤(ピョンテク)米軍基地移転反対デモに参加することで、声をあげている。自主的な大型集会の開催やイシュー生産は、ほとんど不可能になった状況だ。
▲大学生の政党組職、問題は〓民労党学生委は、民労党の真性党員で構成されている。中央党や運営委員会、執行委員会、学校別大学委員会など、ピラミッド式に構成された党組職の一部だ。民労党大学委員会本部はほとんど毎日、運営委は毎月2回会議を開く。彼らは「進歩政党が進むべき道」について民労党員が書いた本を読んで討論する。
民労党学生委側は、民労党との垂直的従属関係を否定し、民労党もこれに同意する。しかし問題は、彼らが政界に進出した政党と密接な関係を結びながら、既存の学生運動の過激な行動を踏襲する傾向がしばしば表れるという点だ。
彼らは暴力が横行した反FTAデモや平澤デモなどに参加してきた。昨年、高麗(コリョ)大学では李健熙(イ・ゴンヒ)三星(サムスン)会長への名誉博士学位授与を力で制止しようとするなど、闘争重視の暴力性を露呈した。
この点で民労党学生委は、政策を討論する政党組職の一部というよりも、実際は過激デモを踏襲する伝統学生運動の変形組職ではないかという指摘も出ている。
これに比べて、ウリ党とハンナラ党は、近く大学生組職を構成するが、大衆性確保に力を注ぐという方針を立てている。ウリ党は、タスクフォースを構成し、党支部と地元の大学を連携する案を模索する考えだ。現役議員が学内新聞に投稿するといった内容が含まれる見通しだ。ハンナラ党は、命脈だけを維持してきた「2030委員会」を大々的に改編し、各学校の学生会幹部出身で委員会役員を構成し、現在、大学生を募集中だ。
▲学生運動の代案になるか〓このような動きに対し、各大学の総学生会は緊張を隠せない。中央(チュンアン)大学のポン・イルファン副総学生会長は、「学生たちの政治的観点が多様で理念的でもあるが、学生会は政治的に中立を守らなければならない」と話した。
しかし、ハンナラ党の沈在哲(シム・ジェチョル)議員は、「学生と政党が双方向の意思疎通が活発にできるという次元で、理念に合う政党に学生が直接参加することは望ましい」と述べた。ソウル大学社会学科の林玄鎮(イム・ヒョンジン)教授は、「学生たちが運動の目標を定めていない場合、政党の特定目標と党利党略に利用だけされ、誤った方向に学生運動が旋回する恐れがある」と憂慮した。
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