政府と与党ヨルリン・ウリ党が30日に発表する「8・31不動産総合対策」の後続措置に、江南(カンナム)地域以外の生徒も、江南の学校に志願できる学区広域化が含まれると伝えられ、一時、大きな混乱をもたらした。
十分な内容の検討もない状態で、5月の地方選挙を意識した与党の財経委と建交委の所属議員たちが、一部の内容をマスコミに流し、混乱を増幅させたのだ。
しかし、学区の広域化については与党ですら反対ムードが優勢であり、教育当局も「検討したことはない」と述べ、結局、なかった事になってしまった。
▲与党も「初耳」〓昨年8月、学区広域化を初めて主張したウリ党の李啓安(イ・ゲアン)議員は29日、ソウル市内の学区をすべて無くして、ソウル地域全体を単一の学区にする内容の小中等教育法改正案を発議した。
しかし党の内外では、「李議員が、ソウル市長候補に出馬したことで、江南学区と隣接した選挙地区の銅雀(トンジャク)区を意識して、学区広域化を主張している」という批判が出ている。
与党の不動産政策企画団所属の議員たちも、「(学区広域化は)初耳だ」と述べ、論議の事実そのものを否定した。
ウリ党の李康来(イ・ガンレ)不動産政策企画団長は、「話すことは何もない。教育人的資源部で確認してほしい」と述べ、不快感を露にした。党政策委の関係者は、「大統領府と政府が合同でタスクフォース・チームを構成したようだ。そのため党には連絡が遅れたのだろう」と述べた。
▲教育当局も混乱〓教育部とソウル市教育庁も状況が把握できず、当惑する姿を見せた。
教育部は、「学区の調整と関連して、党と政策を調整したことはない」とし、「学校選択権を広げるべきだという政策の基本趣旨以外に何の対策もない」と述べた。
教育部は、「学区の調整は教育監の権限事項であり、現在、ソウル市教育庁が学区調整に関する政策研究を依頼した状態だ」とし、「試案作成や公聴会など、十分な意見の収れん手続きを経て、実施するかどうかは、来年上半期に発表する」とだけ述べた。
ソウル市教育庁も、「学区の調整については、具体的な案が出ていない」とし、ただ、学校選択権の拡大に向けて、△08年3月、ソウル九老区宮洞(クロク、クンドン)に科学高校を新設し、△ソウル科学高校を科学英才学校に転換するほか、△教育部の方針に従って、公営型革新学校の導入を推進する、と説明した。
▲校区広域化、いかに〓現在11あるソウルの学区を、近隣の学区を合わせて5〜7学区に再調整するという案が与党から出ている。学区を広げて、希望の学校をまず志願させ、その後で抽選で割り当てるというのだ。
こうなった場合、江南学区に隣接する銅雀区と冠岳(クァンアク)区の一部地域、漢江(ハンガン)以北の城東(ソンドン)区、広津(クァンジン)区の一部を、江南の学区に合わせて再調整する案が可能だ。
しかし、学校選択の機会は広がるが通学時間が長くなり、江南の生徒を他地域に割り当てた場合、江南地区の居住者から強い反発が予想される。
▲「教育を選挙に利用するな」〓韓国教員団体総連合会は同日声明を出し、「選挙を控えた時に、教育問題に政略的に接近する行動は止めるべきだ」と述べた。
全国教職員労働組合も、「教育問題を不動産政策の下位概念に動員してはならず、住宅価格を抑えようとして、教育を抑える恐れがある」と述べた。






