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[オピニオン]胡錦涛のセマウル運動

Posted February. 23, 2006 03:16,   

北京から西南へ200キロ離れた河北省西柏坡は、中国の代表的な革命遺跡地だ。毛沢東は1949年に国民党勢力を追放した後、ここで建国を構想した。04年の春節(旧正月)、胡錦涛主席が西柏坡のある農家を訪れ、「農民が正月に水餃子を食べられるようにするのが社会主義だ」と言った。毛沢東が、「国民党は追い出したが、驕ることはない」と約束したここで、「新農村建設」の国家目標が提示された。

◆中国の第1世代指導者である毛沢東は革命の英雄、第2世代の頳小平は経済改革の巨人として通っている。第3世代の江沢民は、頳小平の改革開放路線を受け継ぎ、経済成長を成し遂げた。03年に国家主席を継承した第4世代の胡錦涛は、「調和のとれた社会」を追求する。頳小平と江沢民が「まず裕福になろう」という「先富論」を主張したとすれば、胡錦涛は、「みんな裕福になろう」という「共同富裕論」を力説する。

◆胡錦涛が農村に執着するのは、第4世代指導部の政治的安定とも関係がある。先日、人民日報は、「農村問題はすでに黄色の警戒線を越えた」と書いた。農村の貧困問題を解決しなければ、調和のとれた社会を建設することはできないということだ。中国共産党が、04年から今年までの3年間、新農村建設を「政策案件第1号」に採択したのも、このような脈絡だ。農民が富んでこそ社会が安定し、国家が栄えるということだ。

◆14日から20日まで、北京の中国共産党中央学校では、「社会主義新農村運動」大討論会が開かれた。1970年代の韓国のセマウル運動を中国農村に取り入れる案が集中的に論議されたという。1週間の討論を終え、胡錦涛は、「生活富裕」を繰り返し強調したと、中国メディアは伝えた。約30年前に韓国が実施した「豊かに暮らそう」のコピー版だ。韓国では、過去のアラ探しの対象になったセマウル運動が、中国で復活している。

宋大根(ソン・デグン)論説委員 dksong@donga.com