忠清南道天安市(チュンチョンナムド・チョンアンシ)の柳𨛗順(ユ・クァンスン)体育館。13日、国民(ククミン)銀行との一戦を控えたウリ銀行選手たちの遠征トレーニング場だ。12日、実戦を彷彿とさせる練習が終わるやいなや、続く朴ミョンス監督とのミーティング。ベンチに戻ってくる選手たちの雰囲気は相当深刻だった。
その時だった。「おやつ、おごって下さい。」タミカ・ケチン(27)だった。183センチ、75キロの図体を揺らしながら、朴監督にジョークを言ったのだ。「タイガー」朴監督も大笑いした。ムードメーカーという噂を目で確認した瞬間だった。
女子プロバスケットボールの勢力が地殻変動を起こしている。ケチンの登場のためだ。ウリ銀行が03年冬季リーグと夏季リーグを平定したさい、その中心には彼女がいた。3年ぶりに戻ったチーム。03年以後、なぜウリ銀行でプレーしなかったのかという問いに、朴監督は、「過去2年間は、ドラフトを通じて外国人選手を選んだ。他のチームに行くのを恐れ、本人が最初から参加をあきらめたのだ。今シーズンから、再びFA契約に変わると、ケチンが来ると言ってきた」と説明した。
ケチンも口をはさんだ。「ここのチームメートたちは家族同然だ。遠くにいた時は、いつも恋しかった」。これほどの絆なら、ウリ銀行とケチンは離れられない。
第1ラウンドで1勝(4敗)にとどまったウリ銀行は、第2ラウンドに入って、ケチンのカムバック後、4連勝を続けている。ケチンは4試合で、平均28.8得点に14.8リバウンドを記録中だ。10日、錦湖(クムホ)生命との試合では、1クォーターだけで17得点し、チーム全得点が14点にとどまった錦湖生命を初盤から混乱に陥れた。「ケチン効果」で、ウリ銀行の独走が予想されるという話を伝えると、彼女は否定した。
「みなさんの関心が私にだけ注がれるようで、チームメートたちにとてもすまない気がします。監督の卓越した戦略と他の選手たちがいなかったら、私もここまでできなかったはずです」。
今シーズンの覚悟を問うと、「韓国の青少年たちに夢を与え、そして、より発展する選手、よりよい人間になりたい」と言った。
優れた実力に誠実さ、謙遜、ユーモア感覚まで備えた彼女が発散する「ケチン効果」。ウリ銀行だけでなく韓国女子バスケットボールが分かち合うに値するものかもしれない。
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