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山岳グランドスラム達成の朴英碩さん「これからがはじまり」

山岳グランドスラム達成の朴英碩さん「これからがはじまり」

Posted November. 01, 2005 03:02,   

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朴英碩(パク・ヨンソク)さん(42・ゴールドウィンコリア取締役・東国大山岳部OB)は、今年5月1日、北極点に立った。世界で初めて山岳グランドスラム(ヒマラヤ8000m級14座完登、世界7大陸最高峰完登、エベレストと南北極点の地球3極点到達)を達成したのだ。これは、欧米人を中心に書かれてきた世界山岳・探険の歴史の上で、東洋人が大きな足跡を残す一大事件だった。

「すべて」をなし遂げた彼だが、グランドスラム達成記念フットプリントの下に「これからがはじまり」と書いた。「世界地図を見ていると、行きたいところが多すぎてドキドキするんです」。

●ベーリング海峡横断に挑戦

彼は来年2月、シベリアとアラスカの間にあるベーリング海峡を徒歩で横断する予定だ。5万年前、モンゴル人種が渡り、イヌイット(エスキモー)とアメリカ・インディアンになったという、そのルートだ。ベーリング海峡の最短距離は85km。しかし、海流や氷河も渦巻くように動くため、300km以上を迂回しなければならない。1998年、ロシアのチームが一度だけ成功している。今回のベーリング海峡横断に参加する金ヨンソン(42)隊員(モスクワ在住)に、「危ないからあきらめろ」と止めていたロシアの探険エージェンシーは、「今回の挑戦は朴英碩さんが主導している」と伝えると、「それなら早く契約しよう」と態度を変えた。世界探険界における彼の存在感を物語っている。

●結婚指輪売ってヒマラヤ遠征

彼が受ける質問のうち最も多いのは、「生計はどうやって立てているのか」だ。今は、アウトドア用品メーカーであるゴールドウィンコリアの取締役として給料を受けとり、妻のホン・ギョンヒさん(42)が昨年ニュージーランドのオークランドにオープンした韓国料理の食堂も繁盛しているため、カネの不自由はしない。しかし、大企業の後援を受け、海外遠征に出る最近も、彼は後輩たちから「ケチ」と言われるほど、経費削減に努めている。「ぜいたくな登はんは、すでに失敗だ」という哲学が身に染みているためだ。

彼の初のヒマラヤ挑戦は、1989年春、ネパール・ヒマラヤのランシサ・リ2峰(6427m)。金が尽き、ネパールのカトマンズで時計と登山服を売って帰ってきた。その年の冬は、予定していた結婚も延期し、再びヒマラヤに発ち、ランタン・リ(7205m)に登り、結婚指輪を買うはずの金で帰国便の航空チケットを買った。

●緊張緩めば死

ヒマラヤ遠征31回挑戦で18回成功、極地方3回挑戦で2回成功。結局、彼には14回の失敗の経験がある。1991年、初のエベレスト挑戦で、100m墜落し、顔面陥没の負傷を経験した彼は、1995年、ダウラギリ(8167m)登はんの時もクレバスに落ちたが、バックパックが引っかかって一命をとりとめた。数えられないほど危険な瞬間を迎えた朴英碩さん。彼は、「自然はいつも怖いが、何よりも怖いのは自分自身だ。傲慢や諦めたいという誘惑との戦いが一番つらい」と語った。



jeon@donga.com