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「何か特別なものがある」チョン・ジウン プルバスケ・新韓銀行コーチ

「何か特別なものがある」チョン・ジウン プルバスケ・新韓銀行コーチ

Posted October. 10, 2005 03:03,   

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彼女には何か特別なものがある。女子プロバスケットボール新韓(シンハン)銀行の選手兼コーチ(プレーイングコーチ)であるチョン・ジュウォン(33)。チョン氏がいるだけで、昨年冬季は最下位だった新韓銀行が、わずか6ヵ月後には夏季優勝チームになっていた。

チョン・コーチは李ヨンジュ(39)監督より6歳下。一番若い金ヨンジュ(19)よりは14歳上。チョン氏は単に監督と選手間の橋渡しの役割をしているわけではない。経験不足で、自信の足りない若手の後輩らを、「粘り強くて丈夫な戦士」に変身させた。

生れて初めての講演(GSカルテックス女子バレーボール選手団対象)や雑誌の表紙モデル(時事女性週刊誌『ミズエン』)の撮影に追われているチョン氏に会った。10日間の休暇のうち、まともに休んだのは1日だけ。チョン氏は、「ちょうど1歳になった娘のことが気になる。子供の面倒をみてくれる舅や姑に感謝している」と話した。チョン氏の「コーチ・リーダーシップ」のノウハウは何なのだろうか。

▲私に従え〓今年4月実施されたシルミド海兵隊での地獄の特訓。チョン氏は出産後7ヵ月の身で躊躇なく一番先に干潟に身を投じた。2週間実施された三千浦(サムチョンポ)山岳訓練の時にもいつも先頭に立ち、「板割や炭火の上を裸足で歩く訓練」などでも進んで模範を見せた。チョン氏は、「宿舎に戻ると、体中が痛くて一晩中うなり声を上げた。しかし、翌日の練習時間になったら、そうした気配は見せず、後輩の先頭に立った」と話した。

▲若手選手らに何でも言わせてやる〓チームの打ち合わせの時間には、後輩らが何でもしゃべれるようにしてやる。たまにピザやチキンなどをおごったりもする。楽しくおしゃべりをしていれば、自然とお互いへの信頼ができ、同じ釜の飯を食っている仲間だという意識ができる。打ち合わせの時話し合われた内容は、加減なくはっきりと監督に伝える。しかし、できるだけやさしい言葉遣いをする。

▲負けた時でもぐずぐず言うな〓ゲームを楽しむ。負けたからと言って悲しまず、勝ったからと言って大げさに振舞わない。シュートよりアシストをする方がもっと楽しい。「あくまでも後輩のたの助役だ」という考えでゲームに臨む。チョン氏はチャンピオン決定戦で試合当たり平均36.52分をプレーして、20得点4リバウンド4.7アシストを記録した。

▲ミスをした選手をさらに励ませ〓ミスは誰でもする。ゲーム途中、ミスをした後輩に「大丈夫、元気出して」と声をかける。ゲームの後は、その選手を呼んで個人指導をする。

▲率直なのが最高〓チーム・ワークを破るのはいつも1人や2人の選手。そうした選手は個別に呼んで説得に最善を尽くすが、それでも駄目な場合は、その選手の何が問題なのかを一々厳しい言い方で話してやる。しかし、長く気に留めていたりはしない。

▲スポーツ選手も公人だ〓チャンピオン決定戦MVP賞金の全額を従軍慰安婦のおばあちゃんのために寄付した。子供の1歳の誕生日の時は、そのおばあちゃんたちに誕生祝いのお餅を送った。ゲームに負けた時もファンの前ではいつも笑顔だ。暇があれば、歴史関連の本をよく読む。「金薫(キム・フン)の『刀の詩(うた)』を読んでずいぶん泣きました。誰も助けてくれないのに、前へ向かって黙々と歩いていく人間・李舜臣(イ・スンシン)。彼はどれほどつらくて寂しかったでしょうか」。



mars@donga.com