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ゲーム業界、独創性を求めて映画監督と組む

ゲーム業界、独創性を求めて映画監督と組む

Posted May. 23, 2005 03:27,   

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世界の映画界の巨匠らが先端ゲーム産業に続々と参入している。17日から20日まで米ロサンゼルスコンベンションセンターで開かれた「05電子娯楽博覧会(E3・Electronic Entertainment Expo)」にホラー映画の巨匠ジョージ・ロメロ監督が企画演出したゲーム「シティ・オブ・ザ・デッド」が出品され、観客の視線を集めた。ロメロ監督は遺体が生き返って人を攻撃するという内容のホラー映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』などの遺体をテーマにした3部作でホラー映画の巨匠として浮上した監督。ロメロ監督は同ゲームで企画、ストーリの構成、「ゾンビ(生き返って歩き回る遺体)」のデザインまで引き受けた。

▲相次ぐ「ゲーム監督」宣言〓今度E3に本人が演出したゲームを出品した映画監督はロメロ監督だけだ。しかし、E3に参加したかなりのゲーム会社は、ハリウッドの有名映画監督にゲームのシナリオ作成と演出を頼んでおり、一部は制作に入った状態だと述べた。

『Splinter cell』などのゲームで韓国でも多くのファンを確保している「Ubiソフト」は映画『ダイハード』のジョン・マクティアナン監督と手を組んで、ロシアのモスクワを背景にしたアクションゲームを制作している。

また、他のゲーム会社の「ミドウェイゲームズ」は『ボーイズン・ザ・フッド』のジョン・シングルトン監督に『恐れと尊敬』というゲームの演出を任せた。同ゲームは主人公が冒険をしながらストーリを進める「アドベンチャーゲーム」の一種。

『喋血雙雄』と『ミッション・インポシブル2』で有名な香港出身の呉宇森監督も、「タイガーヒルエンターテインメント」を設立して『シャドークラン』というゲームを開発している。このゲームには呉監督ならではの派手な拳銃シーンが登場する。

『X—メン』のブライアン・シンガー監督は「タイゴンスタジオ」の新ゲーム『シークレットサービス』の演出を担当している。

▲映画監督が必要な理由〓有名映画監督が相次いでゲーム演出に乗り出している理由は、ゲーム業界が最近創意力不足に悩んでいるからだ。

世界最大ゲームメーカーのEAは今回E3に26のゲームを出品したが、このうち19作品が既存ゲームの後続編だった。新作7編の中でも『バットマンビギンス』と『ゴッドファザー』は同名の映画を原作にしている。映画と同じくゲーム産業でも後続編は前作の人気を土台にするため、ヒットする可能性が高い。しかし、前編と構成や登場人物が同じであるため独創性は落ちる。

EAロサンゼルススタジオの最高運営者(COO)のアカディア・キム氏は、「創造的なゲームを作るため、ハリウッドの監督と脚本家3、4人にゲームの演出と企画を任せる計画を進めている」と説明した。

こうした悩みはEAだけのものではない。米情報技術(IT)関連市場調査機関のNPDは、先月米国で発売されたゲームの80%が後続編だという調査結果を出した。

ロメロ監督と一緒に『シティ・オブ・ザ・デッド』を開発した「クーズアクション」の開発者ジェームズ・ブルックスビ氏はE3展示場で記者に対して、「ゲームは映画よりはるかに速く成長する過程で、ビジネスのみが強調され想像力は底を付いた」と打ち明けた。

同氏は、「ロメロ監督と一緒に仕事をしながらホラー映画の効果、音楽、デザイン、ストーリーの真実性など、大衆と呼吸できる『総合芸術』のテクニックを学んだ」と説明した。

▲韓国はどこまで〓映画制作のノーハウがゲームに取り入れられるのが世界的な流れ。韓国ではまだ映画監督が直接ゲームのシナリオを書いて演出を引き受けるケースはない。しかし、映画音楽を作った作曲家がゲームの音楽を担当し、小説家にゲームのストーリを任せた例はある。

E3でウェブゼンが披露したオンラインゲーム『サン』は、『ロード・オブ・ザ・リング』の映画音楽を作曲したハワード・ショアが音楽を担当した。

NCソフトもE3直前に公開テストサービスを始めたオンラインゲーム『ギルドウォー』で小説家の李インファ氏をゲームのシナリオ作業に参加させた。きめ細かでもっともらしいストーリのためには、ゲーム専門家よりは小説家が良いと考えたからだった。

金沢辰(キム・テクジン)NCソフト社長は、「ゲームを良く理解する小説家にシナリオ作業に参加してもらったら作品の質が高くなった。ゲームを単なる娯楽ではなく文化として理解してこそさらに一段階成長できる」と述べた。



sanhkim@donga.com