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北朝鮮へUターンする脱北者たち 北朝鮮の抱擁政策も一助

北朝鮮へUターンする脱北者たち 北朝鮮の抱擁政策も一助

Posted December. 02, 2004 22:49,   

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1996年7月11日、「命をかけて」脱北したチェ・スンチャン氏(37)。同氏は当時、自転車のチューブに頼って礼成(イェソン)江に沿って韓国に越えて来たことから話題になった。しかし、彼は今、北朝鮮へ帰って家族と一緒に暮らしている。

チェ氏は、北朝鮮の妻子を脱北させるために中国へ行ったがうまく行かず、今年の旧暦大晦日である1日21日、豆満(トゥマン)江を渡って北朝鮮へ帰った。保衛部に「自首」した後、数ヵ月間取り調べを受けたが、大きな問題なく、脱北した当時の居住地の開城(ゲソン)で家族と再会した。

北朝鮮特殊部隊の38航空陸戦旅団に服務し、脱北前、開城の煉瓦工場で働いていたチェ氏は、韓国では1997年5月から今年1月まで、農業協同組合中央本部で代理として勤務した。今は開城コンピューターセンターで働いている。

チェ氏は開城住民の間で「8年にして人生を変えた」羨望の対象だそうだ。金正日(キム・ジョンイル)総書記が「優しくしてやれ」という指示を2回も出しており、韓国で稼いだお金で「豊かに」暮しているためだ。南韓で学んだコンピューターの実力も羨望される対象。開城住民の間では、「チェ氏のように南朝鮮へ行ってお金を稼いでこよう」という話まで出ていると、このほど脱北した金氏は伝える。

▲相次ぐ脱北者の「Uターン」〓北朝鮮当局はこのほど、「脱北者も帰ってきて自首すれば許して歓迎する」という指針を下した。このため、脱北者の再入北が時々起きている。

チェ氏の場合、北朝鮮へ再度入った時に韓国で稼いだ5万ドル(約5100万ウォン)を持っていった。北朝鮮当局は、このお金の「処分権」をチェ氏に与えた。開城では「チェ氏が国家に3万ドルを寄付して、8000ドルは知り合いに配り、1万2000ドル(約1250万ウォン)を個人所有にした」という噂が広がっている。

現在、北朝鮮の闇市場の為替相場にすれば、1万2000ドルは北朝鮮のお金2160万ウォン相当。3000ウォンの給料をもらう北朝鮮の中学校教師が、ちょうど600年を働いて稼げる巨額である。

チェ氏のように単独で脱北した後、韓国で稼いだお金を持って家族を探しに北朝鮮へ帰る「雁の脱北者」は他にもいる。1996年、韓国に入国して事業を失敗した後、00年北朝鮮へUターン、03年再び韓国入りしたナムス氏(47、今年4月国家保安法違反で拘束)の場合も同じ。彼は北朝鮮へ帰った後歓迎され、持っていったお金で銭湯と床屋まで経営したものとされている。

数カ月前に、ソウル陽川(ヤンチョン)区と江西(カンソ)区に住んでいた20代の男女脱北者二人が、それぞれ4000万ウォンと1000万ウォンを持参して北朝鮮へ帰ったとされるなど、脱北者のUターンが相次いでいる。

▲どうして再び北朝鮮入りするのか〓昨年5月、韓国で出会って結婚した妻を親に紹介するとして咸北会寧(ハンブク・フェリョン)に密入国した脱北者夫婦が、隣人の届け出で北朝鮮の保衛部に逮捕された事があった。

甚だしくは一部脱北者は、豆満江を渡って国境近くの故郷でお正月を過ごした後、韓国へ戻ってくる場合もあるという。北朝鮮と中国の国境をひそかに出入りすることが簡単になったという話だ。

脱北者のUターンには北朝鮮の融和的態度の影響も大きい。脱北者家族を迫害していた政策から懐柔政策に切り替えたからだ。現在、大多数の脱北者らは韓国で稼いだお金を北朝鮮の家族に仕送りしている。北朝鮮が脱北者に対する抱擁政策を取り続ければ、韓国で稼いだお金で「家族と一緒に豊かに暮せる」北朝鮮へのUターンを選択する人がさらに出てくるのかも知れない。



zsh75@donga.com