
「(李)ハヌル君が、一度機会をくれたわけですね。『お前も存在感を一度感じてみろ』という意味で…」(金チャンリョル)
「DJ・DOC」が4年半ぶりにバラードに戻ってきた。9日発売した第6集「ラブ・セックスアンドハッピネス」で、かれらはトレードマークである攻撃的なラップや強烈なビートを減らし、感性的なバラードと楽しいリズムを売り物にしている。ラッパー・李ハヌル(33)、チョン・ジェヨン(31)ではなく、ボーカル・金チャンリョル(31)が、総括プロデューサーを務めた結果だ。
金チャンリョルは「他のメンバーたちがどのように考えているのかよくわからない」と横を見るや、隣にいた李ハヌルとチョン・ジェヨンは「100%満足とはいえない」といって笑った。
李ハヌルは「ラップ中心の4集と6集で自分の役割が少なくて意気消沈していた金チャンリョルを前面に出したのです。グループ全体としては、音楽的により豊かになったわけです。」と述べた。
○タイトル曲「捜査班長」、サイが作り
今回のアルバムには、昨年12月結婚した「花婿金チャンリョル」の持ち味が強く感じられる。チョン・ジェヨンは、「80%がラブストーリー」と説明した。アルバムのタイトル「ラブ・セックスアンドハッピネス」も、そのような意味でつけた。
タイトル曲は、サイが作った「捜査班長」。1970、1980年代の人気テレビドラマ「捜査班長」のタイトル音楽をサンプリングしたラップ曲だ。彼女を疑う男性が、捜査班長になって捜査をするという歌で、振り付けはカン・ウォンレが受け持った。
「私の手をとってくれ」、「恨み」、「大丈夫」、「昨日と違った想像」は、新しいアルバムの特徴が人目でわかるようなバラード。全曲で金チャンリョルの感性的なボーカルが目立つ。「デュース」出身の李ヒョンドが作った「しまった物語」では、金チャンリョルの切ないボーカルとチョン・ジェヨンの低いトーンのラップが調和をなす。
○「鋭い魅力はないが、聞きやすいと思います」
金ドヒャンが一緒に歌い、「DJ・DOC」のラップを挿入したリメーク曲「馬鹿のように生きたようですね」は、穏やかにスタートして合唱に締めくくり、力が伝わってくる。強いビットの「I Wanna」、「ストリートライプ」、「ワンナイト」は、李ハヌルとチョン・ジェヨンの楽しいラップが以前の「DJ・DOC」のカラーをそのまま生かしている。
「DJ・DOC」は、一言で定義しにくいです。カラーがあるようでないようです。「ベービーボックス」との争いを素材に歌も作ったが、「チャンリョルの音盤」だから、我慢しました」(李ハヌル)
李ハヌルは、世界的なラッパー・トゥパックの歌をサンプリングして歌った「ベービーボックス」を「セクシーな魅力だけをアピールする歌手だ」と非難して、名誉毀損の疑いで告訴され、現在訴訟が進んでいるところだ。
「今回のアルバムは、鋭い感じがなくて、固定ファンに不慣れなものでしょうが、聞き続けているうちに馴染んでくると思います」(チョン・ジェヨン)
「DJ・DOC」は、1994年初の音盤を出した。今年で10周年だ。
「今まで解体せず、カラーの異なるチャンリョル君もメンバーとして引き続き残っているというのは、私たちならではの義理と情のためではないでしょうか」(李ハヌル)
金善宇 sublime@donga.com