「嘘をつけば偽証罪で処罰される」という誓約をして行なう法廷証言がすべて真実なら、裁判官は判決を下すのが一層容易になるだろう。米国議会の聴聞会で聖書に手をのせて「真実のみを言う」と誓っておきながら、顔色一つ変えずに事もなげに嘘をつく人もいる。政治を職とする人々の中に、このような才能を持った人が多い。証言が真実かどうか判断することは難しい。まったく同じ事案を巡って、人によって評価と観点が変わるためだ。記憶力にも限界がある。
◆民事裁判では、証言よりは文書となった契約書1枚の証拠能力をより高く評価する。「10人の証人よりも1枚の文書がましだ」という言葉がある。「金希宣(キム・ヒソン)議員の父親が満洲国で警察官だった」という月刊朝鮮の報道を巡って、親戚たちの言葉も食い違っている。最初に言った言葉と発言が問題になった場合、言葉が変わってきたりする。金議員の父親の職業と関連しても、金議員側や月刊朝鮮側で、自分たちの主張を立証できる日本帝国主義による強占期の記録を探したなら、10人の証人が出て記者会見をするよりも效果が大きいだろう。
◆外国の法廷と違って、韓国では民事裁判でも証人を呼んでたださなければならないことが多い。正確に文書を残さずに口頭で契約する慣行が商取引に残っているためだ。証言の証拠能力を高く評価しない民事裁判と違って、形事裁判では法廷証言が非常に重要だ。文書になった証拠を残して犯罪をする犯人はいないだろう。形事裁判で、現場を目撃した人々や犯罪被害者、事件関係者の法廷証言によって、被告人の有無罪が分かれたりもする。
◆組職暴力や麻薬犯罪の被害者たちは報復を恐れて、法廷で証言することを拒む。レイプ被害者も同様だ。ソウル中央地方裁判所が、レイプ被害者たちが加害者と直接に対面しないで証言できるように、法廷の横に「ビデオ証言室」を設置したという。判事と検事、弁護士、被告人は大型モニターを見て裁判に臨むことになる。しかし被害者の人権も重要だが被告にも防御権がある。ビデオ証言は、被告と証人が顔を合わせて質疑答弁する方法には及ばないようだ。
黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員hthwang@donga.com






