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[社説]大統領、憲法機関と対立してはならない

[社説]大統領、憲法機関と対立してはならない

Posted September. 05, 2004 22:23,   

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が昨日、MBC放送の報道番組に出演して国家保安法の廃止を主張したことは、大統領として慎重さに欠けた行動だった。憲法裁判所と最高裁判所が存続の必要性を強調した判決文のインクも乾かないうちに、これに正面から反ばくする意見を述べたのだから、その趣旨の是非はともかく、思慮に欠けたという指摘は免れないだろう。

最高裁判所と憲法裁は憲法機関である。その見解は尊重されなければならない。大統領が自分の考えと違うからといって無視してはいけない。大統領は、行政府の首班である前に国家元首としての地位を有す。ややもすると国家元首が憲法機関を自ら否定する格好になる恐れがある。行政府首班の資格として意見を開陳できるというが、その場合は国会に正式に立法意見を提示すればよい。

先日の国家保安法の弊害に対する大統領の指摘には共感する部分がある。「国家を危険に晒した人々を処罰したのではなく、政権に反対した人々を処罰するために主に使用された」ということも、ある程度事実だ。しかし、それは過去の軍事独裁政権時代の話だ。現行の国家保安法は91年に改正されて以降、恣意的な適用の危険性は大幅に制限された。憲法裁や最高裁判所も、過去の国家保安法の人権侵害を擁護したのではない。

韓国のように政派と世代によって考え方が異なり、国家的懸案ごとに分裂の様相を呈する国家では、最高裁判所と憲法裁の決定は法理以上の意味を持つ。事案別に是非を問うことで、社会が極端な混乱に進むことを防ぐためだ。ならばその決定を尊重するのが正しい順序である。国会でも論議が様々だが、与野党を問わず容易に結論を下すことができないほど敏感であり、進展は遅々としている。

法の象徴性があまりにも大きく、賛否が先鋭に分かれている問題を巡り、大統領が方向を予め提示してそちらに追い立てるような印象を与えれば、バランスのとれた生産的な論議は期待し難い。