金鮮一(キム・ソンイル)氏殺害事件をめぐる疑惑を解消してくれる中心人物であるカナ貿易の金チョンホ社長が帰国した。罪のない命の犠牲に悲しんでいる国民の目と耳が金社長に集中するのは当たり前のことだ。
金社長が答えなければならないことが一つや二つではない。金社長が金氏の拉致以後、4回も韓国大使館へ足を運んでいながらどうして拉致の事実を知らせなかったのか、テロ団体と救出交渉を行うようになった経緯と具体的な交渉内容は何なのか、拉致時点に対する金社長の供述が何度も変わった理由についても解明が必要だ。実体的な真実を通じて金氏を助け出す機会がなかったかどうかを正してみなければならない。
米軍が金氏の拉致事実を事前に分かっていたどうかを究明するのも重要だ。金社長は、「米軍から(拉致の)連絡を受けた」と言ったが、後で言葉を変えた。韓米関係に影響を与えかねない事案であるだけに、金社長が明確な事実関係を明かさなければならない。韓米間の情報チャンネルに問題があったら、金社長の供述を通じて直さなければならない。
金社長は監査院と国会による金氏殺害調査に積極的に協調すべきである。これは命を失った自社社員に対する最低限の礼儀である。これからまた他の犠牲者が出ないようにするためにも金社長の率直な供述は欠かせない。金社長本人も海外で国の保護を受けなければならない立場ではないか。
国民の関心が集中している事案であるだけに、監査院は最善を尽くして調査に取り組んでもらいたい。今度の調査の目的は狭くは金氏殺害をめぐる疑惑を糾明することだが、本質的にはこの国の外交安保システムとテロ対応システムがまともに働いたかどうかを点検するためだ。国民は何がどこから間違ったのかを知る権利がある。






