高速鉄時代の幕が開いた。
われわれも今や最高時速300kmの高速鉄道の走る国で暮らすことになった。多くの国民の「時間生活圏」が大幅に広がる。1泊2日で出張していた会社員が「日帰り」できるようになるので、企業業務の生産性もアップする。従来の鉄道貨物処理能力も拡大し、物流難もかなり緩和される。
高速鉄道は、このように経済活動、文化、観光、レジャーなど、国民の生活に少なからぬ変化をもたらす。国土利用の効率性を高め、地域経済と地場産業を活性化し、観光開発に弾みがつくなど、全国の多核拠点化を促す効果も期待される。
それに対し、文化環境と消費環境がずっとよい首都圏に人とカネが逆流し、国民生活の首都圏一極集中に歯止めがかからない可能性もある。地方の場合も、高速鉄道の駅舎周辺に経済力と人口が集中し、「高速鉄道効果」から取り残された地域は、より一層の停滞へと落ち込みかねない。そうなれば、もうひとつの不均衡を生むことになる。
このような「高速鉄道の逆機能」を減らすため、地方レベルおよび地域連携の戦略的な取り組みと政府レベルの補完策が求められる。駅勢圏ごとの特性を生かした開発を計画的に進め、経済、社会、文化的な競争力を高める一方、周辺地域との公営交通ネットワークを拡充すべきだ。
第1段階での高速鉄道事業の成果は、韓国型高速鉄道車両の技術開発を実現したということだ。そのインパクトを最大化し、素材、情報技術、航空宇宙など、関連産業の競争力を高め、究極的に国家産業基盤を拡充するのに活用すべきだ。2010年をめどにした第2段階の高速鉄道建設も、第1段階で露呈した一部の試行錯誤とミスを教訓にして、工事を成功させるべきだ。
まずは安全運行に万全を期さなければならない。全体区間のうち、トンネルが半分であることを考慮し、安全対策に総力挙げて取り組んでほしい。






