韓米連合軍司令部と国連軍司令部を含め、ソウル龍山(ヨンサン)に駐留する在韓米軍全体が漢江以南に移転することになった。米国の強い要求に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、国連司令部のソウル残留にこだわるのは「古い考え」だと言い、韓米の合意という形を取った。首都ソウルが122年ぶりに外国軍の駐留時代を終えるという意味も大きい。しかし、これを歓迎するには韓国の安保の現実は平穏ではない。
したがって、漢江以北に駐留する米軍の完全撤収でもたらされる安保の不安を解消することが急務だ。停戦状態を克服できないまま北朝鮮と対峙している特殊状況と、ソウルが北朝鮮の長射程砲の射程圏内に入ったという現実を考慮すれば、国民が不安を感じるのは当然だ。龍山基地の移転によって海外投資が萎縮するなど、経済に与える否定的な影響も少なくないだろう。このような懸念のために、我々は本紙で、韓米連合司令部と国連司令部はソウルに残らなければならないと主張してきた。
米国は、基地移転で対北抑止力が弱まることはないと強調した。海外駐留米軍の再配置計画によって推進されるもので、在韓米軍の戦力はむしろ増強されると主張する。しかし国会議員133人が龍山基地の移転に反対するなど、韓国人の憂慮は依然としてある。米国は言葉ではなく行動で韓国人の憂慮を払拭しなければならない。
これまで米国との基地移転交渉で、原則なく揺れる姿を見せてきた政府は、今からでも対策に万全を期さなければならない。昨年、高建(コ・ゴン)首相は、米軍移転の3原則の一つに「在韓米軍の仕掛け線(trip wire)の維持」を掲げたが、守ることができなかった。政府はまた、龍山基地残留面積をめぐり米国と合意できないまま基地移転に同意してしまった。これは政府の準備不足と交渉力不在を端的に物語っている。
盧大統領は、国の未来の安保を保障する「新しい考え」が何かを明らかにすべきだ。安保に対しては、米国ではなく政府が国民の憂慮を解消する責任がある。






