世界的な研究成果の裏には、40年間昼夜をいとわず研究を続け育てた「無菌ミニ豚」を研究チームに寄贈して、決定的な環境を作った金允範(キム・ユンボム、76)米シカゴ大学医学部教授がいた。
世界で初めて狂牛病耐性を持つクローン牛の誕生に成功したソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授は、「研究の成果の半分は金教授の力だ。クローン豚を研究する世界すべての学者が渇望する無菌状態のミニ豚の寄贈を受けることができたのは、国運でもあった」と話す。
「クローン技術はすでに6年前から開発されてきたが、実験の成功には10年以上生存した完全な無菌状態のミニ豚が必要だった。人間の臓器と大きさが似た臓器を持つ種であり、ウイルスが全くない状態で10年以上生存することができれば、実験が可能だからだ」
無菌状態の豚から細胞を抽出して人の免疫遺伝子を注入すれば、人に臓器を移植できる臓器移植用の豚が誕生する。一般の豚には微生物があって、人間に臓器を移植することができない。
しかし条件を満たす豚を得る道は見えなかった。帝王切開で豚の胎児を取り出す時までは無菌状態だが、外部の空気と少しでも接触したら、たちまち感染してしまうからだ。
そのような中、昨年12月26日にソウル大学で開かれた国際学術大会に参加して事情を知った金教授が、黄教授を訪れた。金教授は、「30年間育てた無菌ミニ豚をあげるから、韓国で最初に臓器移植用の豚が開発できるように、がんばってくれ」と語った。
1960年代から免疫システムの研究のために無菌豚の生産を推進してきた金教授は、1973年に無菌ミニ豚の生産と養育に成功し、世界で唯一シカゴ大学医学部研究室に約100頭のミニ豚を保有していた。
金教授は「40年余りの間米国で生活したが、心の片隅にはいつも故国のために何かしたいという思いがあった。生涯の研究成果が故国の役に立つことができるなら、本当にうれしいことだ」と話した。
しかし金教授は、「もし実力がなかったなら、いくら故国のためといっても決して豚をあげなかった」と話す。このため彼は、豚を寄贈する前に、高齢にもかかわらず黄教授チームの実験室と農場を訪れ、研究現況を綿密に検討した。
「実験室を見回り、この研究が必ず成功するという確信を持つようになった。医学、獣医学、自然科学などの各分野の学者が、このように情熱的に協力して、仕事を進めるのは世界的に珍しかったからだ」
金教授は、その後激励と助言を惜しまず、研究の結果を見守った。発表があった10日には、直接故国を訪れ、共に喜びを分かち合った。
「約40年間研究に没頭してきたが、まだ学ぶことが多い。後学に常に『失敗を通じてより多くを学ぶことができる。挫折するな』と話す。研究(Research)とは、意味のある真理を再び(re)追求する(search)作業だから」
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