離婚した女性が娘を生んだと言う罪で、イスラムの律法により、昨年の1審と控訴審で「石で打ち殺す」と言い渡された可哀相なナイジェリア人女性(32)が、3審で証拠不十分となり無罪を言い渡されたニュースが世界で話題を呼んでいる。その女性は2審で、「娘が2歳になるまで、死刑執行を猶予する」とした判決を受けた後、世界の人権団体や女性団体から同情と援助を受けるようになった。イスラム教徒が多数を占めているアフリカ・ナイジェリア北部の12の州では、1999年の軍事独裁政権崩壊以来、地方自治が拡大し、ここ40年間禁止されてきたイスラムの律法が息を吹き返した。
◆姦通の相手と目された男性は初期の段階で「嫌疑を立証できる4人の証人がいない」という理由で控訴棄却処分を受けたというのだから、女性はさらに苦しんだことだろう。未婚や独身女性が妊娠をした場合、無条件、石で打ち殺すとなっているイスラムの律法は、男性の場合、姦通罪を立証するために4人の証言を確保することを規定している。だが、女性が無罪判決を受けたからといって、故国で娘と一緒に楽に暮らすことは無理なようだ。封建社会では石と暴力は常に法より身近なところにあるからだ。
◆新約聖書のヨハネによる福音書8章には、姦淫の罪で捕らえられた女性に関する話が出てくる。ユダヤの律法主義者は姦通罪を犯した女性をイエスの前に引きずり出してきて、「モーゼの律法では、姦淫をして現場でとらえられた女は石で打ち殺さなければならないと命じているが、どうするか」と聞いてイエスを試す。イエスが黙って地面に何かを書きながら即答を避けると、彼らは重ね答えを促す。するとイエスはゆっくり話す。「お前たちの中で罪のない者がまず石を投げよ」。良心の自責を感じた律法主義者が一人二人後退りして去っていくと、現場にはイエスと罪を犯した女だけが残される。イエスは女を定罪せず、「ここを去り、二度と罪を犯すな」と言って帰す。
◆今日の韓国でこのようなことが再び起こったとすると、どんな結果が出るだろうか。小学校の周辺にまでラブホテルが立ち並び、夫婦はもちろん姑と高校生までが不倫をする「浮気家族(A Good lawyer’s Wife)」まで登場した昨今、罪を犯した女をあえて引きずり出す者がいるだろうか。罪を犯したからと言って黙って捕らえられてくる女がいるだろうか。「私がすればロマンス、他人がすれば不倫」という認識が普遍化して久しい。後退りして現場を去ったユダヤ人は、それでも良心があると見ることができる。イスラムの律法に従い、韓国のラブホテル周辺に石を積み上げておくとしたら、韓国中の石でも足りないかも知れない。
吳明哲 (オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com






