メキシコのカンクンで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議が決裂し、「力の論理」が横行する2国間交渉の時代に戻るのではないかという憂慮が高まっている。
各先進国の「力の示威」に直面して、発展途上国陣営の支えとなっていたWTO体制に対する無用論まで提起され、多者間交渉という枠組みそのものが崩れる可能性もあるという。
▲強国、2国間交渉を突きつける兆し〓米国と英国のマスコミはカンクン会議の終了直後 「交渉決裂は『煽動的な言辞と自国の利益確保戦略』に一貫した各発展途上国にある」という米通商代表部(USTR)のロバート・ゼーリック代表の発言を主要ニュースで報じた。ゼーリック代表は「これからは2国間で自由貿易協定を推進する」と宣言して、国別に差別的な貿易政策を取ることができることを示唆した。
米国の上半期の経常収支赤字の累計額が2773億7800万ドルと、史上最大を記録したという米商務省の発表が15日出て、米業界の雰囲気は一段と強硬になっている。
雪だるまのように増えるイラク再建費用のため、最悪の「双子の赤字」の危機に直面したブッシュ米政権は301条と反ダンピング、セーフガードなど報復措置の発動を武器に、2国間交渉を最大限活用する可能性が高い。
欧州連合(EU)も多国間交渉に力を注いだ通商戦略を全面的に見直す計画だ。パスカル・ラミーEU貿易担当執行委員は16日「多国間交渉の枠組みに残るか、2国間交渉に転じるかを直ちに決める」ことを明らかにした。
▲WTO無用論台頭〓何よりも全会一致制で運営されるWTOの意思決定の過程がまな板に載せられている。
各加盟国が同じ発言権を持たなければならないという主旨だが、146加盟国のうち、一国が反対しただけでも交渉が漂流する「非効率」極まりないものという批判もある。米国など先進国は貿易比重によって表決権を違うようにする案を示したが、発展途上国の反発が強い。
アフリカ発展途上国もWTO脱退論を取り上げている。アフリカ連合(AU)のビゼイ・マークハン貿易産業経済担当執行委員は16日「カンクン会議は貧困をなくし、生活水準を向上させるという先進国の約束を履行することができなかった」とし、「私たちがWTOとともに進むべきか政治的な決断を下さなければならない」と語った。
ワシントンポストは16日、こうした気流を反映して「WTOが代弁してきた『世界化』が限界に至ったようだ」と評価した。
▲多国間枠組みの崩壊、途上国により不利〓専門家たちはWTOの多国間交渉が来年まで合意を見出すことができずに崩壊する場合、先進国と発展途上国ともに被害を受けると憂慮する。
ただ先進国経済は2国間交渉を通じて貿易相手国をいちいち相手にしなければならない手続上の厄介さと時間と争えば済むが、小規模の発展途上国は海外市場へのアプローチそのものが封じ込まれる極端な壁にぶつかることになる。
韓国の場合、ハイニックス半導体や鉄鋼製品に対する米国の相殺関税発動などが代表的な例だ。WTO体制によって米国が通常法301条などさらに強力な報復手段を発動することができなかったし、発動する相殺関税など不公正貿易行為もWTOへの提訴で一部救済を受けることができた。
韓国開発研究院国際大学院の安鄹根(アン・ドクグン)教授は「米国は95年WTO発足の際、内部では『自ら危機を招く』という反対世論が強かった」とし、「カンクン交渉も待っていたかのように決裂を宣言して、2国間交渉時代に戻ったようだ」と憂慮している。
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