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[オピニオン]レイダース

Posted April. 13, 2003 22:23,   

昨年出版された小説「バイ・コリア(BUY KOREA)」は、米国の中央情報局(CIA)が三星(サムスン)電子の半導体技術を軍事用に転用するためにゴールドマンサックスなどを動員し三星電子に対する敵対的買収合併(M&A)に乗り出すという、多少荒唐無稽(?)なストーリーで話題を呼んだ。ところが、動機こそ異なるとはいえ、現実の世界においてM&Aは珍しくない。適当な企業を物色してM&Aした後、強力な構造調整を通じて再生させては高い値段で再び売却することを生業とする個人や機関投資家を「レイダース(Raiders)」と呼ぶ。通常「企業ハンター」と翻訳されるが、悪く表現して「企業略奪者」とも言う。

◆ジェネラル・エレクトリック(GE)社のトップであり偉大な経営者と崇められたジャック・ウェルチ氏も、企業ハンターだった。氏は、GEの企業価値を最大化するために、16年間で480社あまりの企業を売買した。世界で最も有名な価値投資家と言われるウォーレン・バペット氏も、企業ハンターである。氏は、大規模なM&Aファンドを運用しながら、企業価値に比べて低価格の株を大量に買い入れた後、値上がりするまで待つといった方法で、金を稼いだ。このようなタイプの投資家らは、時折、敵対的M&Aを口実に相手を脅し、株を本来の大株主に高い値段で売ることがあるが、これをグリーンメール(Greenmail)という。TWA航空会社のカール・アイカン会長は、有名な企業ハンターである。

◆韓国は、通貨危機直後の1998年、外国人によるM&Aを全面的に開放した。当時は、外国資本の誘致が国家レベルの課題となっていたため、門戸を開けざるをえなかった。以後、三星自動車、大宇(テウ)自動車など少なからぬ国内企業が外国の企業に買収された。ところが、外国人の企業ハンターが株式市場で大量の株を買い集めて経営権を奪った敵対的M&Aのケースは、未だ見当たらない。敵対的M&Aは、対象となった企業が経営権の防衛に乗り出すため、常に成功するわけではない。失敗すれば、企業ハンターの立場としても、巨額の資金が焦げ付いたり損失を被ったりするリスクが伴う。

◆韓国の株式市場に、クレスト・セキュリティスと名乗る企業ハンターが出現した。英国系のバージンアイランドに根拠を置くペーパーカンパニーで、実態不明のファンドである。今月に入って2度にわたってSK(株)の持分12.39%を買取り、一気に筆頭株主として浮上した。SK(株)はSKテレコムの筆頭株主であり事実上SKグループの持株会社の役割を果たしてきた会社であるため、SKの経営陣にとっては足下に火がついた形となった。このファンドが経営権の奪取を狙うものなのか、それともSK側を脅かし高価で持分を売り払うグリーンメールを狙っているのか、さもなければ単に株式市場における差益を狙っているのか、今のところ明らかではない。いずれにしても、資本の移動が完全に開放されたグローバル化時代において、企業の経営権を守ることがそう簡単にはいかないということをうかがわせる一例である。

金尚永(キム・サンヨン)論説委員



youngkim@donga.com