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うまくいく事業に拍車をかけろ

Posted November. 01, 2002 23:02,   

「核心に集中しなさい」クリスジューク作、李グン訳

247ページ、1万3000ウォン チョンリム出版

不確実性に満ちている未知の世界でどんな事業を展開したらよいのかは、経営者の共通した悩みである。ある企業家は、事業を真っ暗な夜に懐中電灯ひとつを頼りに道を探すことに例えた。経営者の立場では、自分にできるあらゆる手段を動員して、どうしてでも不確実性を取り除いて、成功の確率を高めたいだろう。この本はこうした経営者の悩みを和らげられるいくつかの方法を提案している。

著者は、数年以上経営してきた従来の事業と、初めて手がける新規の事業のうち、どの事業が不確実性が少ないかまたは成功の可能性が高いかと質問を投げかける。いうまでもなく、従来の事業はすでに多くの試行錯誤を経て、ノウハウも蓄積されたため、新規の事業よりは不確実性が少ないだろう。それにもかかわらず、多くの企業は従来の事業に集中するよりは、不確実な新規の事業への拡大をはかる過程で痛手を負う。したがって、経営者は新規事業への進出を検討する前に、すでに経験を通じて「見抜いている」従来の事業の競争力や潜在力、成長の可能性を十分検討しなければならない。

こうした脈絡から著者は、「核心事業」という概念を強調している。核心事業とは成長という使命の達成に向けた、企業の現在の姿あるいは将来に目指している姿の本質を規定する製品、能力、顧客、経路、地域の集合体と定義づけられる。たとえば、コカコーラ、デルコンピューター、ナイキ、スターバックス、ジレットなどの企業は、核心事業に対する集中を通じて、持続的な成長を成し遂げた。結局、自分がやっている事業が何なのか、核心事業をどうやって定義するのか、核心事業がどれほどの成長潜在力を持っているかを冷徹に把握するのが急務なわけだ。

本が指摘しているもうひとつの経営者のミスは、現在成果がよい事業ほど、自分の潜在力を完全に発揮できずにいる可能性が高いというだ。ほとんどの経営者は、会社の成長のために、もっともうまくいっている事業の成果を伸ばすことに焦点を当てるよりは、むしろ成果が低迷している事業に努力を傾けている。しかし、著者はソニーやインテルの例をあげて、忠誠顧客の確保や流通網への投資、製品の差別化などを通じて、成果が高い核心事業をさらに強力なものにするのが、はるかに有用な戦略だと主張している。

もちろん、この本が新規事業への多角化を頭ごなしに反対しているわけではない。ただあくまでも核心事業と密接なかかわりを持つ隣接領域への拡大を薦めている。ディズニーはアニメーションという強力な核心事業を基盤に、アミューズメント公園、出版、アルバム、テレビ、ホームビデオ事業など、隣接領域で強力な事業エリアを構築した。

見方によっては、常識的ながらも、これまで拡大にのみ熱を入れてきたわが国の経営者が見過ごしていた部分を指摘するこうした主張こそ、この本が与える本当の魅力だ。

李東鍱(リ・ドンヒョン)カトリック大学経営学部教授 dhlee67@popsmail.com