
人が行かない道を行く。
今年70歳を迎えた朴孟浩(パク・メンホ)社長は、ソウル江南区新沙洞(カンナムク・シンサドン)の江南出版文化センター5階にある事務室に一番早く出勤する。出勤するやいなや、真っ先に書籍注文台帳に目を通し読者の反応を調べる。彼は「出版にはものすごい魔力がある。私は出版に中毒されている。生まれ変わっても、また出版の仕事をする」と話す。
彼は「出版では個性が何よりも重要だ」として差別化を図る戦略を取った。彼には時代を一足先に読み取る本能的な感覚もあった。
それで、他社では関心を示さない詩集と創作集を出して成功した。「今日の詩人叢書」を通じて詩集の横書き時代を開いたし、詩の大衆化作業に種をばら撒いた。「今日の作家賞」と「金洙暎(キム・スヨン)文学賞」を通じて李文烈(イ・ムンヨル)、韓水山(ハン・スサン)などの小説家と黄芝雨(ファン・ジウ)、蒋正一(チャン・ジョンイル)などの詩人らが名を馳せた。
「三国志」もそうだった。その時代に合った言語感覚で書いた古典が必要だという考え方で出版したら1300万部も売れた。人々が、まだ本のデザインに関心を持たないころ、彼は民音(ミンウム)社編集長を経験した鄭丙圭(チョン・ビョンギュ)氏の感覚を見抜き、この分野のパイオニアになることを強く勧誘した。
「以前も現在も、出版はベンチャーだ」という持論を張る彼は、後輩たちにお金を追うより、常に時代が求める本を作ることを助言する。
「無一文で手がけて、現在に至ったのは、優秀な人材に恵まれ、彼らが精一杯取り組んでくれたおかげだ。出版のおかげで若い人々と触れ会えた。創作的な作業に携わっているおかげて自分自身も硬くならないでいられたと思う」
◆ファミリービジネスは「ノー」、ビジネスファミリーは「イエス!」
父親と3人の子女は、毎週月曜日の幹部会議で会う。個性と趣向が異なる子女たちが会社の経営に加わってからシナジー効果を発揮している。
父親は、過度に干渉したり敢えて教えようともしない。経営授業は、どう行っているかと聞いたら「子どもたちが、自分たちで伸ばしていった」で話す。
「田舎で運輸整備業をしていた父が家業を継ぐことを希望していたけど、それに応えられなかった。それで、自分も家業を強要していない」
彼が強調する人生のキーノートは「人が一番大事だ」だ。「若いからでもあると思うけど、うちの子はみなエゴイストだ。人を信頼すれば、その人は信頼できる人になると教えている」と。
子女たちは、出版人としての父親を尊敬している。
「40年間出版に携わってきた父の気の強さにはかなわないですよ。出版人として編集人としての感覚は尊敬しています」。
mskoh119@donga.com






