台風15号「ルサ(RUSA)」によって、鉄道、道路、通信など、国家の主な幹線網が途切れ、全国所々で交通通信がマヒまたは途絶える最悪の事態が起こった。59年の台風「サラ」以後、最も威力のある台風だったとはいえ、老朽化した施設をまともに補修しておらず、安全不感症に陥っていたため、水害をさらに膨らませた感がぬぐえない。
とくに老朽化した橋梁や線路の補修を怠ったため、国家の輸送網である鉄道の被害が目立った。ややもすれば、予算不足を引き出すが、自然災害から人命と財産、それから国家の輸送網を守ることより優先順位が先の事業がありえないということは言うまでもない。
高速道路と国道の傾斜面で山崩れが発生し、数多い人命被害と交通マヒをもたらしたのも安全不感症が招いた事故だ。地質や岩の性質を考慮せずに、一律な基準によって切り通しの工事を行ったため、こうした事故が頻発しているというのに責任を取る人は誰もいない。
自然災害など非常時に備えて敷かれた迂回路まで途切れたというから、非常線路という言葉が顔負けといわざるを得ない。有線通信はもちろん、携帯電話まで通じなくなって、外部世界と完全に孤立された地域で水魔と戦ったはずの住民の恐怖がどれほどだったのか想像を絶する。
慶尚南道陜川(キョンサンナムド・ハプチョン)一帯では、先月の集中豪雨で崩壊された堤防をまともに補修しないまま放置していたところ、今度の台風で再び崩壊した。洪水に見舞われていながら8月末、9月初めに来襲する台風に備えていなかった地方自治体と中央政府に対し、住民が胸を焦がして当たり前だ。
発電所と液化石油ガス(LPG)充電所も浸水し、大型事故につながる危険もあったそうだ。小さな店でもあるまいし、国家主要施設の立地選定をどう行ったのか、非常時の排水をどう管理しているのか問いたい。
洪水に見舞われるたびに大騒ぎしてからは忘れてしまう、その場しのぎの災害対策から脱皮し、「サラ」、「ルサ」より強い台風にもびくともしない国家基幹施設を維持してこそ、先進国と言えるのではないか。






