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[オピニオン]「反乱票」だなんて

Posted August. 01, 2002 22:48,   

1965年末、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は、李孝祥(イ・ヒョサン)国会議長を留任させようとした。しかし、与党共和党の金鍾泌(キム・ジョンピル)派は、鄭求瑛(チョン・グヨン)議員を押し、1次投票で鄭議員が選ばれた。朴大統領は激怒した。「反乱」の主導者らは、党職はく奪、停権、警告処分などの懲戒を受けた。71年9月に野党新民法は、吳致成(オ・チソン)内務部長官の解任案を国会に提出した。今度は、共和党内の反JP(金鍾泌)系の加勢で、解任案が可決された。「10・2抗命」である。その結果、23人の議員が中央情報部に連行され、ひどい拷問を受けた。2人は圧力を受けて議員を辞職した。

◆悪い癖はなかなか直らないものだ。最近も、国会で争点の案件に対する票決があるたびに、各政党はいわゆる「反乱票」を取り締まり、探し出すのに大騒ぎする。99年4月に、ハンナラ党の徐相穆(ソ・サンモク)議員への逮捕同意案が否決され、政界には出所不明の「反乱者リスト」が出回った。自民連議員12人の名簿も含まれていた。ハンナラ党の金洪信(キム・ホンシン)議員は、昨年末に健康保険財政分離という党論に反し、財政統合を主張して、国会保健福祉委員の職から追われた。今年2月、国会法に「議員は良心に従って独立し、投票する」という自由投票(クロスボーティング)条項が新たに設けられたが、政界のスタイルには特段の変化はなかった。

◆先月初めに実施された第16代国会後半期議長団選挙もそうだった。各党は、自由投票に合意していながらも、内定者を決めて事実上党論投票を行なった。国会法に明文化されている自由投票に、あえて合意する必要はないにもかかわらず、合意したことからして姑息なやり方であった。民主党の宋栄珍(ソン・ヨンジン)議員は、自由投票を貫徹しようと議員総会に参加しなかった趙舜衡(チョ・スンヒョン)議員に対し「××野郎」と悪罵を浴びせた。一昨日、張裳(チャン・サン)氏に対する首相任命同意案が否決された直後にも、各党は反乱票と離脱票分析に奔走した。互いに異なる分析を掲げ、ライバル政党に向かって暴言まで吐いた。

◆自由投票をしたといいつつも、反乱票だの離脱票だのと取り立てること自体が、片腹痛い。誰に反乱を起こし、何から離脱したというのだろうか。「国民の代表」である国会議員の反乱対象は、国民だけであるという点で、民意に背を向けた議員が反乱を起こしたと言えば納得できるが、自分たちに逆らった反乱者を探しているのである。政治家は、ずうずうしくも無神経である。恩着せがましく導入した自由投票制度の単純な意味さえも、わずか数カ月ですっかり忘れてしまったようだ。韓国政治の浅薄さは、まさに制度と意識の乖離にあることを改めて痛感する。

林彩清(イム・チェチョン)論説委員