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インターネット企業は生存の危機、利用の既存大企業は繁栄

インターネット企業は生存の危機、利用の既存大企業は繁栄

Posted June. 17, 2002 22:47,   

「この地から百貨店を追い出してみせます」

インターネットとドットコムの熱風が吹いていた1999年6月。インターネット上のショッピングモール「ハンソルCSクラブ」が各新聞に載せた挑発的な広告コピーだ。インターネットの暴風はすべての産業を例外なく強打した。自動車、電子、鉄鋼、化学など大半の産業にわたって、企業間の電子商取引(B2B)と企業と消費者間の電子商取引(B2C)が雨後の竹の子のように現われた。

三星(サムスン)、LG、SKなどの財閥は、電子ビジネス戦略を作り、ベンチャー企業への投資もするなどインターネットの熱風に巻き込まれていた。

しかし、3年過ぎた現在、各産業でインターネットによって順位の変動があったところはひとつもない。むしろ百貨店がインターネット上のショッピングモールに参入したことを受け、インターネット上のショッピングモール会社が崖ッぷちに立たされるなど、インターネットビジネスだけに特化をはかった企業は生存の岐路に立っている。

三星が各系列会社のインターネットビジネスを統括していたe三星を解体するなど、各グループはインターネット戦略を再構築している。

インターネットが企業にもたらす変化と関連した予測は、どこまでが真実で、どこまでが偽りなのだろうか。

▲半分の真実〓インターネットがもたらす革命についての予測は、その相当部分が現実化している。情報政策通信研究院の孫(ソン)サンヨン博士は「インターネットがなくなる場合、人々と企業が経験するようになる不便さを考えると、3年間の変化を実感できる」と述べた。

情報技術(IT)の強国と評価される韓国。パソコンの普及率60%、超高速インターネットへの加入が810万世帯、インターネット使用人口2430万人、オンライン上の株式取り引き率70%。

インターネットがなければ企業の業務が麻ひしてしまうほどだ。購買・生産・マーケッティング・営業・物流など各部門で、インターネットを使用していない部局はひとつもない。インターネットを使えなくなると、株式市場は即時ストップするだろう。

しかし、専門家らの予測は、ここまでが「真実」だった。

インターネットの暴風が最も荒々しく吹くと見込まれていた流通業界も、依然としてロッテ、現代(ヒョンデ)、新世界(シンセゲ)など従来の強者が君臨している。インターネット上のショッピングモールは2200も登場したが、黒字になったところは1社もない。

金融業界も同様。オンライン上の株式取り引きの拡大は、証券業界の地図を変えることができなかった。2000年初めに営業をスタートしたオンライン専門の証券会社キウムドットコムは、1年で黒字転換に成功した。しかし、営業利益が1000億ウォンを超える三星証券、現代証券、LG証券の競合相手にはなれない。かえって一部の中小オンライン証券会社は、ばく大なIT投資費用を回収できず、生存の岐路に立っている。

▲「黄金」から「空気」へと変わったインターネット〓インターネット関連展望の相当部分が予測はずれになったことについて、コンサルティング会社、モニターカンパニーの韓(ハン)マンヒョン取締役は次のように述べた。「インターネットは特別な商品ではなく、電気や道路などといったインフラにあたるものだ。技術そのものだけでは影響力を発揮することができず、戦略に統合された際その力を発揮できる」

インターネットのこうした特性のために、インターネットは既存の大企業が活用する時、その影響力がさらに大きくなる。ロッテ、現代、新世界が新設したオンラインショッピングモールはスタートは遅れたものの、恐ろしいスピードで成長しつつある。

自動車や家電など主要業種のB2Cも同様。Car123、リベロなどインターネット上の自動車販売会社が登場し、消費者の自動車購買の慣行に変化が起きるものと予想されていた。しかし、2年後、これらの会社は生き残るのに懸命なほど難しい状況に陥っている。

Car123を創業したソウル大経営学科のチュ・ウジン教授は「アフターサービスなど信頼性の問題のために、消費者がインターネットを通じた自動車購入を避け、自動車会社も従来の営業網が崩れるのを防ぐためインターネット上の販売会社を認めていないことから、オンライン販売会社が存立できる根拠が作られていない」と述べた。

B2B会社も同様。産業ごとに数多くのB2B会社が登場したが、収益をあげているところは製造会社が株主として参加した会社だけだ。化学製品のB2B会社のうち総合商社が主導したケムラウンドは今年3月に閉業したが、LGカルテックス精油、現代精油など製造会社が参加したケムクロスは、取引量が日々伸びつつある。

▲インターネットの威力はこれから〓これまでインターネットが既存大企業にもたらした変化は、業務効率化の部分が大きい。購買費用の節減、書類なしの業務処理、情報の共有など。

しかし、インターネットがもたらす真の変化は、これからだと専門家らは強調する。

SKTの車(チャ)ジンソック常務は「音を圧縮しインターネット上で交換できる技術のため、従来の音盤産業が不況に陥り、ゲーム産業など新産業の登場と無線インターネットと金融の結合などで、インターネットは各産業の融合または解体をもたらしている」という見方を示した。

産業研究院(KIET)デジタル経済室の張(チャン)ユンジョン室長は「ここ3年間にわたる実験は、インターネットそれ自体は黄金ではないという教訓を与えた。しかし、インターネットはインフラも同然なので、インターネットを効果的に活用できない企業は生存できなくなった」と説明した。



李炳奇 金昇鍊 eye@donga.com srkim@donga.com