政府が、公共機関の情報公開をさらに制限する素地がある「公共機関の情報公開に関する法律」の改正案を議決したことで、波紋を呼んでいる。なぜそのような改正に踏み切ったのか問わずにはいられない。
20日に閣僚会議が議決した改正案は、国民に混乱をもたらす恐れがある情報、意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある情報、多数の利害関係が鋭く対立し、意思決定に参与した当事者や特定の利害関係者に重大な損害を与える情報を非公開対象情報として追加している。これについて主務部署である行政自治部側は、現行の法律が、政策決定過程上の非公開対象情報を「業務の公正な遂行に著しい支障を与えると認めるに値する理由がある情報」と規定しており、これをもう少し具体的に明示したもの、と説明している。
抽象的で包括的な法規定を「もう少し具体的に明示」するために法改正をするなら、反対する理由は一つもない。法に対する権力の恣意的な解釈と適用をできるだけ防ぐには、法規定自体が可能な限り具体的かつ細部的な内容を盛り込まなければならない。そのような意味において、現行の情報公開法もさまざまな点で修正すべき内容が多いのも事実だ。しかし、今回閣僚会議が議決した改正案は、むしろ現行法を改悪した内容を盛り込んでおり、波紋が広がっている。
一体「国民に混乱をもたらす恐れがある情報」とはいかなる情報で、その具体的な判断基準は何なのか。行自部側は「国民に混乱」云々する言葉を漠然と「公益」と結びつけている。しかし、そのような概念設定なら、政府はいつでも、そしていかなる内容でも、情報提供を拒否できる法的根拠を持つようになり、したがって行政日和見主義をさらに煽ることになるだろう。「国民に混乱をもたらす」という言葉は、常に恣意的な解釈が可能な表現だからだ。
国民の知る権利と国政運営の透明性は、民主社会が絶えず強調して目指すべき価値であり目標である。小さな政府と公開行政は、民主国家だけが有する特性だ。政府が秘密のヴェールに閉ざされれば閉ざされるほど、権力は肥大化し、国民との距離は遠ざからざるを得ないからだ。それで、現行の情報公開法も第1条に「・・・国民の知る権利を保証して、国政への国民の参加と国政運営の透明性を確保することを目的とする」と明記している。
政府は今からでも、このような情報公開法の基本精神を熟考しなければならない。そして、すぐにでも正しい改正案の修正作業に取り組むことを望んでやまない。






