政府が雇用保険の「失業手当て財源」から母性保護などのいわゆる人気取り政策にかかる費用を賄うことを決めるなど、失業者への生計支援といった本来の趣旨に相反する措置を取る考えを明らかにした。
労働部は10日、「自発的失業者」にも失業手当てを支給するとの計画を当面留保すると発表した。労働部は今年1月、社会セーフティーネット対策会議で「今年上半期、法律をまとめ、(自発的失業者への失業手当て支給を)来年から施行する」と明らかにしていた。
労働部のノ・民基(ノ・ミンギ)雇用総括審議官は、「来年から母性保護のための費用が追加され、日雇い労働者にも失業手当てを支払わなければならないため、財源に余裕がなく、自発的失業者への支援は留保するしかない」と述べた。
創業や転職のため自発的に職場を離れた失業者は、全体失業者の70%にのぼっているが、現在失業手当ての支給を受けられずにいる。このため、失業手当ての需給率が全体失業者の11%に止まっていることを受け、労働部は今年の初め、離職後6カ月以上失業状態が続く場合、所定の求職手当てを支払う方策を進めることにし、この計画に1700億ウォンが必要だと発表した。
しかし、来年から母性保護に大金が要ることから、失業手当ての拡大実施は先送りされることが確実となった。
労働部によると、来年、母性保護のための費用(出産休暇30日分の賃金及び育児休職補助金)として、約2300億ウォンが必要であり、日雇い労働者に支給される失業手当てにも3000億ウォンがかかるとのこと。
失業手当ての財源は、今年5000億ウォンの黒字が予想されるなど、毎年余裕があったが、この二つの事業が追加されれば、現行の保険料を維持する限り、新規事業を起こすのは不可能になる。
労働部の関係者は、「日雇い労働者への支援は非定期職の保護を求めている労働界を宥めるための政策であって、外国の前例もない」とし、「自発的失業者への支援は、多くの先進国が既に導入している検証済みの制度だけあって、意欲を持って進めてきた」と述べた。
また、同関係者は「母性保護は健康保険、一般会計、雇用保険のうち、どこから費用を調達するかが話し合われてきたが、そのうち、財政状況の良好な雇用保険から支給することにした」と付け加えた。
一方、雇用保険基金のうち、失業手当ての財源は厳しい状況が続いている反面、雇用安定事業に使われる財源は去年3200億ウォン、99年1700億ウォンなど、毎年黒字を記録していることが分かった。
失業給与の財源は、事業主と労働者が同じ比率で保険料を負担するのに対し、雇用安定財源は事業主のみ負担するため、両基金は別々に運用されている。
母性保護費用を雇用安定部門から支出すると、基金の運用に風穴が開くようになるが、労使政委員会は、「母性保護の労使共同負担」の原則に基づき、失業手当ての財源を選択した。
労働部のシン・ミョン勤労女性政策局長は、「事業主のみ負担する財源から母性保護費用を支出することで、保険料が引き上げられると、財界の不満が高まるのは必至だ」と、「失業保険からの支出は止むを得ない」との立場を示した。
金俊錫 kjs359@donga.com






