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教職へのプライドなしに教育改革はあり得ない

教職へのプライドなしに教育改革はあり得ない

Posted May. 09, 2001 11:03,   

「師の陰も踏むべからず」と言われる。それほど教師は、韓国社会で畏敬の対象だった。しかし最近にいたっては、教権は地に落ち、教師は教職への意欲を失いつつある。

韓国教員団体総連合会(教総)が「師匠の日(15日)」を控えて行った「教員に対する待遇及び教権の実態に関するするアンケート調査」の結果は、今の韓国社会で学校の先生が直面している困難と疎外感がうかがわれる。小中高校の教師2669人を対象に行ったこの調査で、69.3%が教職生活に対して「まあまあだ(42.3%)」「満足していない(27%)」と答えた。また、教師に対する尊敬心と待遇に関する質問に対し、「全般的に低い(49.5%)」あるいは「非常に低い(21.8%)」と答えた。

これは教総が、98年10月に似通った形で行った調査結果より不満足の比率がはるかに高まったもので、教師の士気は年々落ちていることを示している。

教師がこのように教職に対して満足していない理由はいろいろある。△社会全体に広がっている教職を見下ろす風潮、△過剰な雑務、△学校よりは私教育に依存する公教育の崩壊現象、△教育課程の頻繁な変更による教科指導の混戦、△父兄の行き過ぎた介入。その上、他の職種に比べてやや劣る待遇など。

なかでも金大中(キム・デジュン)政権発足以来に実施、または推進中の様々な教育改革作業が反って教師をさらに傷つけ、これが教師の学校離れの主要因になっている、との指摘に注目したい。徹底した準備なしに行われた定年短縮措置や教員の成果給制、第7次教育課程改編などがすべて教職の将来を揺るがしているとされる。

教育改革は重要だ。社会のあらゆる部門が変化している中で、教職社会といって例外ではない。しかし、どんな改革であれ、教育現場の教師の行動が伴わなければ満足した結果は期待できない。政府は大小の教育改革の段階で教師が疎外感を感じないように、現場の教員が納得する改革方策を探るべきだ。

教師が意欲を失えば授業の質は悪化する一方で、結局は生徒が直接的な被害を被ることになる。待遇の改善をはじめ福祉施設の拡充、業務の効率的な調整、不当な規制と介入の排除、再教育——など、教師が意欲と士気を取り戻せる方策が一日でも早く設けられることを期待する。教員が本来の役割を全うしてこそ教育も蘇る。