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検察が明らかにした大宇の不正

Posted February. 04, 2001 21:27,   

大宇(テウ)グループの会計不正に対する検察の捜査で、大宇グループの不正経営の輪郭が浮かび上がってきた。不正の始まりは、金宇中(キム・ウジュン)前会長が英国に設立したBFC(British Finance Center)で、その最後は天文学的な規模の公的資金投入だった。金前会長の驚くべき「世界経営」に国民だけが犠牲になったというところだ。

BFCは、金前会長が「世界経営」を掲げ、1981年に海外資金管理のために英国のロンドンに設立した秘密金融組織として、ロンドンの現地銀行であるチェイスズマンハッタン銀行の口座など、30の口座から成っていた。

彼は海外の金融機関から融資を受け、この口座に入金した後、自動車工場の設立など、海外事業に投資していた。初期にはこのような方法で、安い利子と長期償還など、条件の良い海外資金を利用し、海外法人に投資することにより「グローバル戦略」の成果を得ている。検察関係者も、「金前会長は、最初から詐汲フ意図でBFCを設立し、活用したものではないと思われる」と述べた。

しかし95、96年以降、海外事業の低迷により負債が増え始め、その債務を返済するために再び融資を受けるという悪循環を繰り返した。97〜99年に海外で新しく融資を受けた金額は米ドルで157億ドルなど、20兆ウォンを超えている。

この頃、韓国が通貨危機に陥り、海外債権銀行団の債務を償還するよう促す声が強まった。一方、新規融資が難しくなると、金前会長は国内の財産を海外に送らず、海外輸出の代金を国内に入れない方法で負債を返済していった。彼は株式会社大宇の張炳珠(チャン・ビョンジュ)社長など、幹部らに指示して偽の品物を輸入させ、その代金を支給するように書類を作成し、97年の10月〜99年の7月まで、韓国から26億ドルをBFCに送金した。また、海外輸出代金15億ドルを国内に搬入せず、BFCのために使用した。この過程で金前会長は、張前社長ら側近4、5名にだけ資金管理の実務を任せ、特に重要な資金移動と不正資金作りは本人が直接行ったものとされている。

国内資金の海外流出は、国内系列会社の不正に繋がり、大宇側は系列会社の倒産を防ぐために会計帳簿の操作などによって会社債と企業小切手(CP)を大量発行した。

大宇の会社債は、主に投資信託会社が引き継ぎ、これは99年以降、投資信託会社の大規模な不正に繋がった。投資信託会社の不正は、国内経済全般に悪影響を与え、これによって20兆ウォンを超える公的資金が投入されるに至った。

検察は、金前会長がBFCを通して不正資金の取引を行い、その際相当額の秘密資金を作ったか、個人的に横領していた可柏ォが高いと見ており、証拠の一部も手に入れている事が分かっている。

しかし、これに対する全面的で本格的な捜査は容易ではない見通しだ。資金取引の「張本人」である金前会長が行方をくらましているだけでなく、関係者が全員「資金の使途は金前会長だけが知っている」と責任逃れをしているためだ。

従って、大宇グループの不正資金捜査は、金前会長が帰国しない限り、逮捕された系列会社の社長などが主導した一部分だけに限られ、制限的に行われる見通しだ。



李秀衡(イ・スヒョン)記者 sooh@donga.com