新年の挨拶もうまく言い交わせないほど、政治は正常軌道から逸脱している。民主党議員の3人が自民聯(自由民主連合)へ党籍を移し、院内交渉団体の構成を可能にしたことは、両党がどんな言い訳をするにせよ、`国民を欺いた'との批判は免れ難いだろう。新たな政治への希望を語り合うべき新年の朝、希望どころか心配事で一杯だ。いったい集権側はこの国の政治をどの方向に導いているのか。
国会議員とは、貸し借りをする`物'ではない。特定政党の利益のために政派間でやりとりの出来るような‘ボール’でもないはずだ。彼らは国民の代表であると共に、彼ら自身が憲法機関であるためだ。なのに、民主党と自民聯はこの国会議員をボールのように弄び、国民を翻弄した。国民が票をもって委任した代表性と憲法機関としての尊厳性を毀損したと言えよう。
国民が下した決定を単なる集権の便宜のため、自分勝手に覆し、国民の信頼を真っ正面から裏切るような状況では、民主主義を持ち出すことすら贅沢なことだ。もうハンナラ党は昨今の欺瞞的な自民聯の交渉団体作りを`政治的な親衛クーデター'と規定した。自民聯を民主党の`賃貸政党'として規定し、裁判所に“交渉団体登録の効力停止仮処分の申し出” を届け出るという。
昨年の丁々発止の対立に続いて、新年早々、政治を法廷に持ち込まざるを得ない状況の下では、国民は政治に希望を諦めるよりほかない。与党が対話と妥協によるシステムの政治にそっぽを向け、試みる事全てから陰謀が見え隠れしているため、今年の政治がどの方向に走るかは火を見るより明らかだとの嘆きも納得できる。
民主党と自民聯の`とんでもない'言い訳も国民の自嘲を深めるばかりだ。「3人の議員が党籍を変更したことは本当に知らなかった」だの「党とは関係ない自由の意思」だのと言い繕う事には開いた口が塞がらない。むしろ堂々と「自民党の交渉団体の問題がことあるごとに政治の足を引っ張ってきたため、仕方なく取った不可避な選択だった」と主張したら、このように国民の嘲笑は買わなかったはずだ。
金大中(キム・デジュン)大統領と李會昌(イ・フェチャン)ハンナラ党総裁の新年会談が予告された状況で突出した昨今の騒ぎは、韓国政治の現住所を克明に物語る。金大統領は新年の挨拶でも相生の政治を力説した。しかし現実はお互いの足を引っ張る相克の政治へと走っている。このような信義の欠けた政治、権謀術数をめぐらす政治では危機克服は言うまでもなく、経済回生も、国民統合も、地域和合も空しい合言葉に過ぎない。
理にかなった成熟した政治への期待が裏切られたまま新年を迎えた国民の痛みに対して、集権側は徹底して反省するべきだ。






