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[社説] 不良私立大学、このままではいけない

[社説] 不良私立大学、このままではいけない

Posted December. 28, 2000 18:20,   

韓国の相当たる数の私立大学は教育環境がかなり劣悪な状態だ。私学財団の跛行運営や不正、施設不足などで、学生達はまともに授業を受けられない事も多い。

「教育環境が悪く授業権を侵害された卒業生達に、私学財団が損害賠償を支払うように」という裁判所の判決は、こうした私立大学の教育環境の現状を改めて感じさせる。

光州(クァンジュ)地方裁判所の順天(スンチョン)地方支所は、全南(ジョンナム)ガンヤン(光陽)市のハンリョ(閑麗)大学の卒業生24人が、財団などを相手取りにした損害賠償請求訴訟で、被告は学生に1人当たり350万ウォンから500万ウォンを支給するように、という判決を下ろした。この大学は学生の授業料を横領し、教育省から閉鎖戒告を下ろされていただけでなく、教育施設が極端に不足しているという抗議を受けてきた。

裁判所によるこのような判決は、韓国では初めての事。これによって学生達は授業権侵害に対する法的な賠償を受けることの出来る道が切り開いた事になる。米国の場合、教授が休講しただけで損害賠償を申請することが可能だ。

今回の判決は同じような状態の他の私立大学にも大きな影響を与えるものと見られている。韓国には最近、ここ数年間で教育環境の劣悪な小規模の私立大学が次々と新設された。現在、全国の4年制私立大学は全142校で、この中の28校が学校設立が自由化された96年以降に建てられたものだ。これには教育的判断ではない、政治的な考慮が多大な影響を及ぼしている。国会議員や民選自治団体長は、選挙の時に大学誘致を公約として掲げる場合が多く、このために、全国のあちこちに私立大学が次々と新設されることになった。中には設立費用もなく、学生の支払った授業料で工事費用を賄う大学も多かった。このような状態下で、如何にして図書館や実験室、実習室などの教育施設が整備されるであろうか。

これら小規模私立大学は学校を管理運営する行政システムと専門人力を確保することが出来ず、族閥(ひとつの門閥が世襲する体制)体制および側近体制で学校が運営される事が多い。この過程で授業料を不当に使用し、これが学校内紛糾や授業権侵害に繋がるなど、悪循環が後を断たない。

一部の私学設立者の場合、問題が発生し、学校が廃校された後も、建物はそのまま自分の所有物として残ると思う人もいる言われる。そのような者が教育を云々する資格があるのだろうか。万人が教育者になれないのと同様に、誰もが私学設立者にはなれない。それが教育の権威であり誇りと言えよう。

教育省は地域の教育の需要や教育条件などを正確に把握し、私学設立の承認に関する決定を下ろさなければならない。学校が設立された後は、徹底した管理・監督をするべきだ。今回の判決が私立大学の乱立に歯止めをかけ、教育環境を充実させるきっかけとなってほしい。