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外国人労働者—在中韓国人等の被害状況

Posted December. 11, 2000 11:16,   

既に先進国入りしたと言われている韓国の「人権時計」は何時をさしているだろうか。

平和的に政権交替が行われてから韓国人の人権は、満足できる水準には至らないが、随分と向上しているのは事実だ。しかし、この国に来ている外国人の人権は、一部の先進国を除けば、恥ずかしいばかりである。特に不法滞在をしている外国人労働者は、その弱点から「動物扱い」のような待遇をされる場合が甚だしい限りである。

世界人権宣言記念日(12月10日)を契機に、韓国の3大少数集団といわれている外国人労働者と在中韓国人(朝鮮族)、華僑の人権実体を集中的に点検する。

▽韓国の「マイナリティー」達

バングラデシュ有数の大学を卒業し、4年前韓国に来たトゥトゥール(27)。一時、「コリアンドリーム」を夢見た時もあるが、入国の際ブローカーに渡した斡旋手数料800万ウォンの負債を返済したのが全部だ。しかも、もっと悔しいのはドンドゥチョンの衣類工場で働いていた時、韓国人の上司が同僚を殴っている所を仲裁しようとして、その上司が振り回していた鉄パイプに殴られ両腕が骨折した事である。8ヶ月に渡る治療を受けたが、両腕の状態は不自由さが残る。保証金など一門ももらえず追い出されたが、不法滞在をしている彼は、抗議なと考えたことすらなかった。一歩踏み違うと、警察に届けだされ強制出国されるからだ。

同じ民族である在中韓国人も外国人労働者とさほど変わらない。只、韓国語ができるから自分の状況を説明しやすいだけである。

5年前、「祖国」を訪れた在中韓国人のチェ某さん(35、中国遼寧省)。去年11月、キョンギ(京幾)プチョン(富川)市の自動車部品工場で、プレスで部品を制作する仕事の最中、小指と薬指以外の8本の指を失った。「人生」そのものを失ったも同然だが、保証金どころか滞納していた賃金ももらえず、今はどこへ行こうが受け入れてもらえない。「これまで滞納した賃金は入院治療費(850万ウォン)に全部使った」というのが、会社側からの話しだ。

キョンギ(京畿)・ソンナム(城南)市テピョンロ2街にある住民教会の地下1階、‘ソンナム外国人労働者の家、在中韓国人の家(031—756—2143)’には、トゥトゥールさんやチェさんのように、行き場のない外国人労働者で、常時繁盛している。

記者が訪れたのは8日の午前。体の具合が悪く仕事に行けなかった「異邦人」が10人ほど、日向で体を温めていたり、小ぢんまりとした部屋で疲れた体を休ませていた。

「家」とは言え、2、3坪ほどの箱のような部屋5つが全部である。換気もままならない部屋の壁には、ここに住んでいる外国人労働者の廃れた服が、ずさんにかかっている。60、70年代のクロ(九老)工業団地の「蜂蜜小屋」を連想させる。一部屋ごとに10人〜20人が暮らしているというのが、この家を運営しているキム・ヘソン(金海成)牧師の説明だ。

外国人労働者ではないが、華僑も依然として差別の対象である。韓国は華僑にとっては、世界で唯一の「不毛の地」である。彼らの朝鮮半島滞在の歴史は、1世紀を超え、ある時はその規模も増えたが、現在韓国に居住している華僑は2万2000人あまりに過ぎない。国際通貨基金(IMF)の管理体制以降、華僑資本への関心が増え、不動産の購入など各種の規制が緩和したもののまだまだである。韓国で生まれて国内の大学を卒業しても、就職するのはとても難しいうえ、まれに就職しても昇進は夢のまた夢である。

▽「彼らも人間だ」

90年代に入って急激に増えている外国人労働者の規模は、10月末現在27万5290人。韓国全体労働者の2%を上回る。このうち、法的に全く保護されない不法滞在者は17万9990人で全体の65.4%である。外国人労働者が低い賃金や賃金滞納など、一部の韓国人が経験する苦痛以上の暴力や侮辱に苛まれ、中には死亡する事態が発生する理由もここにある。

彼らの人権を改善するためには、何よりも法的・制度的装置が必要だと言うのが専門家の指的だ。

キム牧師は、「韓国に住んでいる外国人も、私たちが責任をとらなければならない対象であり、彼らの人権は、『韓国の人権レベルを示す鏡』である。中国国籍外国人の雇用許可制や外国人と華僑のための法的保護装置が至急必要だ」と話した。



ハ・ジョンデ、ミン・ドンヨン記者 orionha@donga.com