大望はもはや存在しない。これからは徳川家康だ。
1970年台以後、経営者の組織管理の必読書として、また、サラリーマンの処世指針書として、興味深い読み物として長期ベストセラーとなっていた‘大望’(山岡宗八著)。
松出版社が日本の講談社と版権契約を結び‘徳川家康’という原題をそのまま用いた。11月、1部9巻から始まり、来年まで3部32巻を完全刊行する計画。
16世紀の日本戦国時代を治めた徳川の一代記を小説化したこの作品が、読書界に投げかけた影響は大きい。70年代はじめに発刊されて以来、100万セット、2000万部あまりが販売されたと推算されており、全国民の2人に1人が1冊ずつ所有していることになる。この本の成功とともに他の日本の武将たちの名前をつけた歴史物や経営書もブームとなった。
日本でも1950年から17年間にわたって新聞で連載され、これまでに1億冊以上が販売された。
しかし韓国社会の中でこの本は公に論議されなかった。正式な出版権契約が無く、翻訳過程に誤訳が多かったという点以外にも、「なぜよりによって朝鮮侵略に加担した倭将の美化に賛同するのか」という厳しい目があったためだ。
「違います。朝鮮侵略が空しい野望であったことを、この本は一つ残らず明らかにしています。朝鮮民衆の抵抗が侵略を失敗に終わらせたことや李舜臣(イ・スンシン)の活躍も詳細に紹介されています」
翻訳家であるイ・キルジン氏(67)は、この本を民主主義的物差しで排斥するのは‘平和の本質’を探求する本の主題に沿わないと話した。
40年以上にわたり日本文学の翻訳一筋である李氏は、川端康成の‘雪国’や大江健三郎の‘飼育’など、文学的要素の高い作品も翻訳している日本語翻訳の第一人者。各巻の末尾には読者の理解を助けるための登場人物や戦国用語辞典、度量型の官職の対照表、甲冑や大将らの紋章などを解説する絵も掲載している。






