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英テムズ川の汚染深刻、大腸菌など許容値の最高10倍検出

英テムズ川の汚染深刻、大腸菌など許容値の最高10倍検出

Posted April. 01, 2024 08:50,   

Updated April. 01, 2024 08:50

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英国の首都ロンドンを含め中南部を横切る「父なる川」と呼ばれるテムズ川が深刻な汚染に見舞われている。195年の伝統を誇る「オックスブリッジ(オックスフォード大対ケンブリッジ大)」ボートレースの参加者に「水しぶきにも気をつけろ」と入水禁止措置が下されたほどだ。

環境保護団体リバー・アクションは先月29日、「大会区間でサンプルを採取して水質を検査したところ、大腸菌の検出量が平均2863CFU(細菌数単位)、最高9801CFUに達し、許容値の最高10倍に迫った」と発表した。

英BBCによると、テムズ川は汚染のため臭いも我慢できないほどだ。同日行われたボートレースで敗れたオックスフォード大のレナード・ジェンキンス選手は記者会見で、「試合前に事前に嘔吐してきた」とし、「川の汚染がもう少しましなら良かったと思う」と不満を漏らした。本来、オックスブリッジは優勝チームが川に飛び込んで祝うのが伝統だが、今年は入水を禁止した。試合中、漕ぎながら飛び散る水に触れないよう注意喚起も出された。

テムズ川の汚染は、水道会社が適切に処理されていない下水を長期間にわたって大量に排出したことが原因だ。英環境庁によると、昨年、全国で未処理の下水が370万時間排出されたが、これはモニタリングを開始した2015年以降、最も高い数値だ。22年(175万時間)と比較しても2倍以上だ。

英国は、雨水と下水が同じ管で流れるため、洪水の時は逆流を防ぐために下水を一部排出するよう設計されている。環境保護団体は、「下水の排出は非常に異例の場合にのみ許可されるべきなのに、手当たり次第に排出している」と非難した。英政府も「容認できないこと」とし、迅速な措置を求めた。

しかし、抜本的な問題解決は容易でないとみられる。英国の水道会社は、サッチャー首相時代の1989年に民営化された後、設備投資やサービス改善より株主配当のための利益増大に没頭してきたという批判を受けてきた。大手の「テムズウォーター」も、私募ファンドや海外年金機関などが所有しており、昨年の負債は140億ポンド(約24兆ウォン)にのぼる。このような状況で、テムズウォーターは最近、自救策として水道料金の最大40%引き上げ案などを発表し、世論の非難を浴びている。


洪禎秀 hong@donga.com