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中国、米との国防相会談を拒否…「弾圧して対話は意味がない」

中国、米との国防相会談を拒否…「弾圧して対話は意味がない」

Posted May. 31, 2023 08:21,   

Updated May. 31, 2023 08:21

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来月2~4日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に合わせて、米国が米中国防相会談を提案したが、中国側が拒否したと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどが29日(現地時間)付で報じた。アジア主要国の安全保障の司令塔が総出動するシャングリラ対話で、中国が米国の会談要請を一方的に拒否したのは異例のことだ。オースティン米国防長官は昨年のシャングリラ対話で、中国の魏鳳和国防相(当時)と会い、北朝鮮や台湾問題などを話し合った。

中国は拒否の理由を明らかにしなかった。ただし、ロシア製兵器の購入を主導したという理由で、2018年に米国の制裁リストに含まれた中国の李尚福国防相(当時)の制裁をまだ米国が解いてないことに対する報復の性格であるという観測が流れている。北朝鮮が軍事偵察衛星1号機の打ち上げを予告した中、米国の台湾への兵器支援、南シナ海軍事基地化など、両国間の軍事問題をめぐる緊張は続くものとみられる。

●中国「米国の弾圧が続く中、対話の意味なし」

シャングリラ対話は、英国のシンクタンク「国際戦略問題研究所(IISS)」が毎年主催する安全保障会議。韓国、米国、中国、ロシア、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州主要国の国防相が出席し、安全保障問題を議論する。

駐米中国大使館の劉鵬宇報道官は、会談の拒否と関連して同紙に「米国が可能な限りの手段を総動員して中国を弾圧し、中国の高官及び企業に対する制裁を模索している状況で、このような対話にどのような意味があるのか」と批判した。

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストなどは、米国が李氏に対する制裁を解除しない限り、中国は両国の国防相会談を受け入れないだろうと予想した。航空技術者出身の李氏は、中国共産党中央軍事委員会装備発展部長を務めていた18年、ロシアのスホーイ(Su)35戦闘機、S-400防空ミサイルシステムの購入を主導し、米国の制裁対象となった。中国の習近平国家主席が3月に李氏を国防相に起用したのも、米国の圧力には決して引かないという意志を示したと分析されている。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、オースティン氏が今月初めに李氏に直接書簡を送り、シャングリラ会談での会談を要請したにもかかわらず中国が拒否したとし、「ギリギリまで会談を調整した過去と比べると異例だ」と伝えた。

●中国、米国に台湾「レッドライン」を再び強調

中国の国防トップの対話拒否をめぐり、最近、台湾に対する兵器支援のスピードを早めると繰り返し表明した米国に対し、中国が「台湾問題に関してはいかなる譲歩もない」という考えを示したという見方もある。30日、中国の人民日報系の英字紙グローバル・タイムズは、李氏がシャングリラ対話で台湾問題に対する「レッドライン」を強調すると報じた。「外部勢力が中国の内政に介入してはならない」と事実上、米国に警告を送るということだ。

中国の王文濤商務相が25日、米国のジーナ・レモンド商務長官と通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表と会談したにもかかわらず、中国が突然、両国の国防相会談だけを拒否したことをめぐり、中国が「ツートラック戦略」で米国を圧迫しようとしているという分析もある。米企業研究所(AEI)のジャック・クーパー上級研究員は、「中国は、米国の経済担当官僚を相手にする際、より多くの影響力を行使できると信じている。安全保障より経済を優先するということだ」と指摘した。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 北京=キム・ギヨン特派員 weappon@donga.com/