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北朝鮮が模擬核弾頭を800メートル上空で爆発訓練、殺傷能力を最大化

北朝鮮が模擬核弾頭を800メートル上空で爆発訓練、殺傷能力を最大化

Posted March. 21, 2023 08:24,   

Updated March. 21, 2023 08:24

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北朝鮮が19日、韓国を攻撃目標として、模擬の戦術核弾頭を搭載した短距離弾道ミサイルの殺傷力を最大化できる上空800メートルで爆発させる訓練を行ったことが確認された。北朝鮮は、韓国全域が攻撃圏に入る弾道ミサイル「北朝鮮版イスカンデル(KN-23)」に模擬戦術核弾頭を搭載して空中で爆発させたとし、これは「核反撃仮想総合戦術訓練」であり「敵の主要目標に対する核攻撃模擬発射訓練」と明らかにした。空中で核弾頭ミサイルを爆発させるのは典型的な核攻撃の手法だ。

北朝鮮の官営メディアは20日、平安北道鉄山郡東倉里(ピョンアンプクト・チョルサングン・トンチャンリ)付近で前日に行われたミサイル発射の様子を公開し、「戦術核攻撃任務の遂行手順と工程を熟練するための総合戦術訓練が18、19日に行われた」と伝えた。特に、発射したミサイル弾頭が目標地点である東海(トンへ・日本海)800メートル上空で正確に爆発したとし、核弾頭部の核爆発操縦装置と起爆装置の動作の信頼性を検証したと明らかにした。韓国国防研究院の李相旻(イ・サンミン)北朝鮮軍事研究室長は、「800メートルは、北朝鮮がKN-23に搭載できる核弾頭の爆発後の殺傷半径を最大化できる高度だろう」と指摘した。

北朝鮮がKN-23に搭載できる戦術核の威力がどの程度なのかについては、専門家によって意見が分かれる。ただ、過去に北朝鮮が公開した核弾頭などを分析すると、少なくとも10キロトン(1キロトンはTNT火薬で1千トンの爆発力)は超えるという見方が有力視されている。核兵器爆発時の被害をシミュレーションできるサイト「NUKEMAP(ニュークマップ)」によると、10キロトン威力の核兵器がソウル中心部800メートル上空で爆発した場合、即死者は4万4千人、負傷者は30万人に達する。一部の専門家は、800メートルの高度で最も効果的な爆発力を持つ核兵器は60キロトン以上であると見ている。この場合、即死者は23万7千人、負傷者は約70万人に増える。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、娘のジュエ氏と訓練を視察し、「いつでも敵が恐れるほど迅速かつ正確に稼働できる核攻撃態勢を完備せよ」と述べ、「今日の形勢は、我々の核戦争抑止力を幾何級数的に増大させることを求めている」と強調した。


孫孝珠 hjson@donga.com · 申晋宇 niceshin@donga.com