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50年ぶりの干ばつに苦しむ南部、「断水事態」は防がなければ

50年ぶりの干ばつに苦しむ南部、「断水事態」は防がなければ

Posted March. 03, 2023 08:39,   

Updated March. 03, 2023 08:39

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全羅道(チョルラド)地域の最大規模の多目的ダムである全羅南道順天(チョルラナムド・スンチョン)の住岩(ジュアム)ダムは、光州(クァンジュ)と全羅南道の水源だ。光州や高興(コフン)、羅州(ナジュ)、木浦(モクポ)など全羅南道11の市・郡の飲料水源であり、国内最大の石油化学団地である麗水(ヨス)国家産業団地、鉄鋼企業が集まった光陽(クァンヤン)国家産業団地の工業用水の供給源でもある。秀麗な景観と松広寺のおかげで観光名所でもある住岩ダムが、50年ぶりの最悪の干ばつで枯渇している。

住岩ダムの上流では最近、ひび割れた川底が見えている。住岩ダム流域の水面面積が2年の間でサッカー場678個分減少した。住岩ダムと近隣の長興(チャンフン)ダム、蟾津江(ソムジンガン)ダムまで、貯水率が例年の半分にも満たない。コロナ禍を乗り越えた地域住民は、貯水率を知らせる「災害メール」で心配を募らせている。アパートの水圧を下げたり、住民自治会ごとにレンガを配り、トイレの水タンクに入れたりして節水している。ポスコ、現代(ヒョンデ)製鉄、LG化学、GSカルテックスなど麗水・光陽産業団地に入居した大規模工場は、操業を一時停止したり、完全に停止することで水の使用量を減らしている。6月の梅雨まで「断水」という最悪の事態を防ぐためだ。

昨年の梅雨の時期、南部地方には雨の代わりに猛暑が訪れた。光州・全羅南道地域の干ばつ日数は281.3日で1973年の気象観測以来最長となった。年が明けても雨の便りがなく、事態の解消は望めない。干ばつは、釜山(プサン)・大邱(テグ)など慶尚道(キョンサンド)地域に拡大し、洛東江(ナクトンガン)流域の陜川(ハプチョン)ダムをはじめ、安東(アンドン)ダム、永川(ヨンチョン)ダムには干ばつの段階が「注意」に格上げされた。ダムの水位が正常な水供給の限界線である低水位に近い状態だ。低水位以下は「死んだ水」で、莫大な費用をかけて浄化しない限り、飲み水が不足する「水大乱」が予想される。麗水・光陽産業団地は、水がなければ1日数千億ウォンの被害が避けられない。水の使用量を最小限に抑え、貯水量の多い他のダムから水を引き、低水位に到達する時期をできるだけ遅らせなければならない。

過去には5~7年ごとに全国に干ばつが訪れたが、10年前からは局地的な干ばつが毎年発生している。気候変動の影響で韓半島だけでなく、中国、フランス、イタリアなど世界各地で最悪の干ばつを経験している。今後はより頻繁に、より多くの場所で極度の干ばつが発生することが予想される。気候変動でなくとも都市化と産業化で水不足問題は慢性化している。節水支援金制度のような需要削減対策を実施し、下・廃水の再利用や海水の淡水化など代替水資源の発掘にもスピードを上げなければならない。