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物価高・ドル高の「爆弾」を抱えて基準金利を据え置いた韓銀

物価高・ドル高の「爆弾」を抱えて基準金利を据え置いた韓銀

Posted February. 24, 2023 08:47,   

Updated February. 24, 2023 08:47

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韓国銀行(韓銀)の金融通貨委員会(金通委)は昨日、3.5%の基準金利をそのまま維持することを決めた。5%台の物価高は依然として続いているが、目前の現実に迫った景気減速や家計負債の問題などに対応するためだ。近いうちに、米国が基準金利を引き上げ、韓米間の金利差がさらに広がっても、利上げを中断しなければならない状況に追い込まれている。ただ、李昌鏞(イ・チャンヨン)韓銀総裁は、「金利引き上げの基調は終わったという意味で受け止めないでほしい」とし、さらなる利上げの余地を残した。

韓銀は、昨年4月から今年1月まで続いた史上初の7回連続の利上げのレースを中断した。韓銀は、一昨年8月から先月までの1年半の間、利上げ基調を維持してきた。今回の金利据え置きは、景気低迷の可能性が高くなったという裏付けでもある。1900兆ウォンの借金をした家計が、利息負担の増加に消費を減らしている。1000兆ウォンを越える負債を抱えている自営業者や小規模事業者の廃業も続出している。韓銀が今年の成長率の予測を1.7%から1.6%に下げたのも、内需低迷と輸出低迷は短期間で回復しにくいと判断したためだ。

問題は、世界的な基準金利の引き上げを主導している米国の変数だ。景気が減速した韓国とは異なり、米国は消費・雇用が過熱様子を見せ、物価下落を阻んでいる。景気好調と物価高が平行線を描きながら続くいわゆる「ノーランディング」の現象だ。米連邦準備制度(FRB)は来月、基準金利を5.0~5.25%に0.5ポイント上げる可能性も強まっている。

これにより、韓米の金利差が1.75ポイントに広がれば、外国人投資家の韓国離脱ははやくなり、「キングドル現象」も深刻化し、ウォン安ドル高が進むことになる。ドル高は、貿易収支の赤字の主な原因であるエネルギー輸入費用を高め、電気・ガス料金を含めた物価上昇の圧力を増大させるだろう。内需低迷に対応するための金利据え置きが、回りに回って再び国内景気に負担を与えることになる。

国際通貨基金(IMF)は最近、「アジア中央銀行は、物価安定目標を生半可に度外視してはならない」と警告した。オイルショックに見舞われた1970年代に、米連邦準備制度は景気状況を意識して、金利引き上げと据え置きを繰り返し、物価管理に大きく失敗したことがある。韓銀は、このような「ストップ&ゴー(Stop and Go)の罠」に陥らないよう、国内外の変数に柔軟かつ迅速に対処しなければならない。