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与野党いずれも数十兆を叫び、非難し合うポピュリズム選挙

与野党いずれも数十兆を叫び、非難し合うポピュリズム選挙

Posted November. 09, 2021 08:45,   

Updated November. 09, 2021 08:45

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与党「共に民主党」の大統領選候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が7日、「今年の超過税収は40兆ウォンほどになる」とし、「金持ちの国の貧しい国民は穏当なことなのか」と強調した。全国民災害支援金に反対する保守系最大野党「国民の力」の大統領選候補、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏を念頭に置いた発言だ。尹氏はこれに対抗して、「新政府発足100日間で50兆ウォンを投じ、政府の営業制限による(自営業者などの)被害を(原則的に全額)補償する」と主張した。院内第1、2党の候補が先を争って数十兆ウォン規模のばらまきを約束している。

まず、今年の超過税収が40兆ウォンにもなるので、「国家の蔵が満たされている」という李氏の主張はごり押しだ。今年の赤字国債発行の規模は100兆ウォンを超える。暮らしが豊かならなぜ国債を発行するのか。そのうえ、すでに31兆ウォンは2次追加更正予算で使ってしまった。追加で約10兆ウォンの調達は予想されるが、これで国債も償還しなければならず、損失補償から除外された業種への支援もしなければならない。李氏の主張どおり、全国民に30万~50万ウォンを支給するには15兆~20兆ウォンが必要で、国債発行が避けられない。「金持ちの国の貧しい国民」は典型的なポピュリズム論法と言わざるを得ない。

尹氏は、李氏を念頭に「悪性ポピュリズムは税金略奪」とし、「大統領選挙は合理主義者とポピュリストの戦い」と述べた。その一方で、メディアのインタビューでは、「100日内に50兆ウォン投入」、「全額補償」などの約束を投げかけた。50兆ウォンを調達するには国債を発行するか他から金を絞り出すかしなければならないが、どこからどのように財源を調達するというのか。ただ「被害を指数化、等級化して原則を持って補償する」と説明するだけだ。国家の財政状況を考慮せず数十兆ウォンの約束を乱発するのは、李氏が見せてきた言動と大差ない。

韓国の国家債務は来年1000兆ウォンを突破する。2029年には2000兆ウォンを突破するという予測(国会予算政策処)も出ている。最近の経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、30~60年の韓国の潜在成長率は0.8%で、加盟国の中で最も低いという分析だ。一方、国際通貨基金(IMF)が先進国に分類した35ヵ国のうち、今後5年間、経済規模対比国家債務の増加速度は最も速いという。成長率はビリ、債務増加速度は1位なら国はどうなるのか。にもかかわらず国家の未来の暗い展望には目を閉じたまま、数十兆ウォンのばらまきだけを叫ぶのか。